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てんかん epilepsy

翻訳|epilepsy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

てんかん
epilepsy

世界保健機関 WHOは,てんかんを「種々の病因によって起る慢性脳障害で,大ニューロンの過剰な発射の結果起る反復性発作 (てんかん発作) を主徴とし,これに種々の臨床症状および検査所見を伴うもの」と定義している。発作には,(1) 意識の喪失ないし変化,(2) 筋緊張あるいは運動の過剰ないし消失,(3) 知覚の異常,(4) 内臓の諸症状を伴う自律神経障害,(5) 気分や思考の異常,の5型がある。このような発作があっても,原因疾患の明らかなものはてんかんと呼ばない。発作のほかには,周期性気分変調,性格変化,知能障害などがみられることもある。てんかんの診断は,臨床症状の観察とともに,脳波検査によって突発的な波形の異常を確認して行う。

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知恵蔵の解説

てんかん

脳の神経細胞が過剰放電することで起こる反復性の発作を中心とした疾患。脳の一部分に過剰放電が起きる部分発作と、脳全体が巻き込まれる全般発作がある。部分発作は放電が起きる部位によって症状が異なり、手や顔がぴくぴく動く、ものが大きく(小さく)見える、音が大きく(小さく)聞こえる、過去の記憶がよみがえる、など様々。全般発作は、意識を失い、手足が突っ張り、その後ガクンガクンとけいれんする強直間代発作や、数秒から数十秒、突然意識を失う欠神発作などがある。抗てんかん薬長期間服用することで治療を行うが、小児期に発症することが多いため、自立性に配慮した養育上の注意が必要。

(田中信市 東京国際大学教授 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

てんかん

慢性の脳の病気。脳の神経細胞が無秩序に過剰に活動して発作が起こる。100人に1人がかかるとされるが、症状は個人差が大きい。意識を失うような激しい発作が起こる人から、体の一部のけいれんにとどまる人までさまざま。8割の人は薬で発作を抑えることができるが、2割は治療が難しい「難治性」だという。

(2011-04-21 朝日新聞 朝刊 1社会)

てんかん

脳の神経細胞が過剰に興奮して発作を起こす病気。急に意識を失ってけいれんしたり、体がビクッとしたりするが、個人差がある。患者は全国に約100万人とみられ、7~8割は治療で発作が抑えられると考えられている。

(2011-12-16 朝日新聞 朝刊 鹿児島全県・1地方)

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栄養・生化学辞典の解説

てんかん

 慢性の脳障害の一つで,大脳ニューロンの過剰な反射の結果起こる反復性発作(てんかん発作)を主たる徴侯とする.

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家庭医学館の解説

てんかん【Epilepsy, Epilepsia】

◎まだ多くの誤解がある
[どんな病気か]
◎さまざまな発作症状がある
[症状]
[原因]
◎家族の証言も診断ポイント
[検査と診断]
◎薬物療法が効果的
[治療]
[日常生活の注意]

[どんな病気か]
「てんかん」についてどのような病気というイメージをおもちですか。口からあわを吹いて、意識がなくなり、全身をけいれんさせるものが、一般にてんかんと考えられているようですが、このような症状はてんかんの一部でみられるにすぎません。症状の項で述べますように、てんかんには多様な発作(ほっさ)症状がみられます。
 てんかん発作がおこるメカニズムは、大脳の神経細胞が突然、異常な興奮(こうふん)状態を示すために、運動系、感覚系、精神現象などに一時的な異常をきたすことによります。その場合、脳の興奮する部分によって、症状は異なってくるわけですが、おこりやすい症状にいくつかのパターンがあります。慢性、反復性に発作をくり返すことが特徴で、アルコール離脱期や頭部外傷の急性期にみられる一過性のけいれん発作は、通常はてんかんには含めません。また、一見、てんかんが疑われるような症状であっても、てんかんでないことが少なくないので注意が必要です。
 また、てんかんについては、現在なお多くの偏見や誤解があるようで、てんかんについての正しい知識をもつ必要があります。「怖い病気」「精神病の一種」「治らない」「遺伝する」などのイメージをもたれることもあるようですが、これらは一般的に正しくありません。てんかんの多くは適切な薬物療法によって発作が抑制され、ふつうの日常生活を送ることが可能なのです。

[症状]
 症状は非常に多様ですが、突然おこって短時間で回復する「発作」であることが特徴です。また同じ発作型ならば、それぞれの発作ごとの症状はほぼ同一で、発作のたびに症状が異なる場合は、てんかん以外の病気の可能性が高いといえます。
 現在、広く用いられているてんかん発作の分類(国際分類)によれば、脳の一部から発作が始まる部分発作(ぶぶんほっさ)と、最初から脳全体に発作が広がる全般発作(ぜんぱんほっさ)に分けられており、両者がさらに細かく分類されています。
●全般発作
 全般発作には、つぎのようなものがあります。
 強直間代発作(きょうちょくかんたいほっさ)は、大発作(だいほっさ)とも呼ばれます。突然、意識消失とともに四肢(しし)を硬直させる強直けいれんがみられ、眼球は上転し、呼吸が止まり、チアノーゼ(くちびる、爪(つめ)、皮膚などが青紫色になる状態)がみられます。ついでピクピクと動く間代(かんたい)けいれんをおこし、数分間続き、発作終了後も、しばらく意識がぼんやりするもうろう状態がみられます。発作がおこったとき、舌をかまないようにと、あわてて口に物を入れたりすることは、かえって危険ですのでしないようにしてください。
 欠神発作(けっしんほっさ)は、小発作(しょうほっさ)とも呼ばれ、瞬間的に意識が消失して、一点を凝視します。ちょっとぼんやりするぐらいで、人には気づかれないことも多いようですが、動作が急に止まったり、物を落としたりすることで気がつかれます。小児期に多く、成人になってから続くことはまれです。
 ミオクロヌス発作では、両側対称性に筋肉をピクピクさせる運動、すなわちミオクロヌスがみられますが、一側性にみられる場合もあります。
●部分発作
 部分発作は、発作中に意識が保たれているか否かで単純部分発作(たんじゅんぶぶんほっさ)と複雑部分発作(ふくざつぶぶんほっさ)に分けられます。
 単純部分発作は、意識障害をともなわないもので、発作をおこした脳の部位に対応した症状を示します。運動発作(うんどうほっさ)は、からだの一部のけいれんに始まる運動症状を示します。感覚発作(かんかくほっさ)は、発作的なしびれ感などの異常感覚や幻視(げんし)、幻聴(げんちょう)などのさまざまな感覚系症状を示します。精神発作(せいしんほっさ)は、既視感(きしかん)や未視感(みしかん)あるいは発作性の恐怖感などの感情を示します。自律神経発作(じりつしんけいほっさ)は、頭痛や腹痛を示します。
 単純部分発作は、つぎに述べる複雑部分発作に移行したり、さらに大発作をおこすことがあります。この場合の部分発作は「前兆(ぜんちょう)」と呼ばれます。大発作は部分発作がまずおこった後に脳全体に広がったものと考えられ、二次性全般化(にじせいぜんぱんか)と呼ばれます。すなわち前兆がある場合は、大発作であっても全般発作ではなく、部分発作の二次性全般化と考えられます。
 複雑部分発作(ふくざつぶぶんほっさ)は、今まで精神運動発作(せいしんうんどうほっさ)と呼ばれていたものとほぼ同じで、意識障害とともに自動症(じどうしょう)と呼ばれる口をもぐもぐさせたり、歩き回ったり、無意味でまとまりのない行動を示すことが特徴です。多くは側頭葉(そくとうよう)から発作がおこりますが、前頭葉(ぜんとうよう)や他の脳部位からおこる場合もあります。この発作型は、成人になってからも消失しないことが多く、成人の難治てんかんの多くを占めています。

[原因]
 脳自体に異常がみられず、素因や体質が原因になっていると思われるものは、特発性(とくはつせい)てんかん、あるいは原発性(げんぱつせい)てんかんと呼ばれます。特発性てんかんは、小児期や思春期に初発することが多くみられ、発作は抑制されやすい場合が多く、成人期以後になると消失するものも少なくないようです。
 脳に障害があり、脳の病変が原因と考えられるものは、症候性(しょうこうせい)てんかんと呼ばれます。原因はさまざまであり、外傷、血管障害、腫瘍(しゅよう)など、どのような病変でも、てんかんの原因になりうる可能性があります。成人になってから初めて症状をおこす場合は、症候性であることが多いと考えられます。

[検査と診断]
 てんかんの診断は、発作症状および脳波、CTなどの画像診断をはじめとする各種の検査所見を総合して行ないます。熟練した医師が診察すれば、問診だけでもかなりの率で診断することが可能です。
 発作症状については、本人から詳しく聞くことが大事ですが、意識障害により本人にもわからないことが多いため、家族など目撃者の証言が重要なポイントになります。ですから発作をみたときには、いつ、どこでおこったか、睡眠不足や飲酒など発作の誘因になるようなことはなかったか、発作はどのように始まりどのように経過したか、どのくらいの持続時間であったか、発作中の反応や意識状態がどうであったかなどに注意し、医師の質問に答えられるようにしておいてください。
 脳波検査は、てんかんの診断と治療に欠かすことができないものであり、てんかんに特徴的な波形が、脳波に出ることにより診断の根拠となります。また、てんかん類型の診断にも有用です。しかし1回の脳波検査では異常が見つからないこともあるため、くり返し検査が必要な場合もあります。また、てんかんの種類によっては脳波に異常がみられなかったり、それとは反対に、脳波に異常があっても、必ずてんかんとはかぎらないことがあります。
 CTやMRIなどの画像診断は、てんかんの原因となる病変の判定に有用です。また脳血流を測定するシンチグラム検査が行なわれる場合もあります。

[治療]
 中心となるのは、抗てんかん薬による薬物療法です。現在では、70%以上の割合で、適切な薬物療法により発作の完全な消失がみられます。治療は、長期間かかるものと考えてください。発作が完全に消失してから3~5年間は服薬を続け、その後、医師と相談しながら減量することが必要です。
 発作再発の大きな原因は、勝手に服薬を中止したり、減らしたりすることですので、規則正しく飲む必要があります。また長期間服用する必要がある薬ですので、副作用や飲み方について医師から十分に説明を受ける必要があります。

[日常生活の注意]
 日常生活や食事は、発作が抑制されていれば特別な制限は必要なく、運動もふつうに行なってかまいません。ただし、睡眠不足、極度の過労、大量の飲酒は、発作の誘因となるためやめてください。また、発作の誘因は個人差がありますので、気がついたものはただちに中止してください。
 就業については、危険な仕事や高所で行なう仕事、また車の運転などは避けるべきです。ただし、発作のタイプや発作が抑制されているかによって判断が異なりますので、医師とよく相談してください。
●どこに相談したらよいか
 子どもならまず小児科ですが、成人の場合は神経内科、脳外科、精神科(神経科)にそれぞれてんかんを得意とする医師がいますので、あらかじめ病院に確認してから受診されたほうがよいでしょう。
 てんかんの診断と治療は、脳波の判読など十分な知識と経験が必要ですので、なるべく専門医の診察を受けることをお勧めします。
 また、静岡てんかん・神経医療センターなど、てんかん治療を専門に行なっているセンター病院が各地にありますので、発作が治らない場合は、主治医から紹介してもらって受診する必要があるかもしれません。

てんかん【Epilepsy, Epilepsia】

[どんな病気か]
 かなりのてんかんが、小児期に発症します。
 おとなと同様、いろいろなかたちの発作(ほっさ)(「てんかん」)がおこりますが、ごく軽い発作や短時間の発作のために気づかれずにすんでしまうこともあります。
 特別な原因がなく、脳に障害のない場合は、治療に反応しやすいことが多く、数年のうちに、治療を中止できる子どももいます(特発性小児良性(とくはつせいしょうにりょうせい)てんかん)。
 しかし、脳に何か原因があっておこることもあります(症候性(しょうこうせい)てんかん)。子どもだけにおこるてんかんにウエスト症候群(コラム「ウエスト症候群(点頭てんかん)」)やレンノックス・ガストー症候群(「レンノックス・ガストー症候群(レノックス症候群)」)がありますが、頻度はまれです。
[検査と診断]
 意識障害をともなうことが多く、子どもは、症状をはっきりと言えないことが多いので、発作の型の診断には、発作を目撃した人の情報がたいせつになります。
 目撃した人がつき添い、できるだけ正確に症状を医師に伝えてください。
[治療]
 おとな同様、抗てんかん薬の使用(コラム「抗てんかん薬治療について」)が中心ですが、ウエスト症候群やレンノックス・ガストー症候群の場合は、ホルモン療法が有効なことがあります。
 難治性(なんちせい)の場合、ケトン食療法(脂質3~4に対し糖質・たんぱく質を1にする、などを内容とする食事療法)が行なわれることがあります。
[日常生活の注意]
 規則正しい生活を心がけ、寝不足を避けて、治療をきちんと行なうことがたいせつです。
 日常生活の規制は必要ないのがふつうですが、程度によっては必要なこともあります。主治医とよく連絡をとり、相談しましょう。
 てんかんの子どもを特別扱いしたり、過保護にしないようにします。
 しかし、ひとりで高いところに登ったり、水に潜ったりさせないようにします。水泳・入浴もまったくひとりにしないほうが安全です。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

てんかん
てんかん / 癲癇
epilepsy

反復性のてんかん発作(けいれんや意識障害)を主徴とする慢性の脳障害で、発作は脳の神経細胞の過剰な発射による突発性脳性律動異常paroxysmal cerebral dysrhythmiaの結果おこるものである。最近の国際分類によると、てんかんは臨床発作型、脳損傷の有無、病因などによって、(1)局在関連性てんかん(部分てんかん)と、(2)全般性てんかんに分けられ、それぞれが原因によって特発性(原因が不明で発症に素因が関係すると思われるもの)と症候性(脳の損傷が原因で発症するもの)に分けられている。局在関連性てんかんは脳の一部から始まる「部分発作」をもち、多くは局在性の脳損傷が原因であるが、特発性のものもある。全般性てんかんは、全身けいれん発作や欠神発作など焦点が不明瞭(ふめいりょう)な全般発作をもち、多くは特発性であるが、広範な脳損傷による症候性全般てんかんもある。[大熊輝雄]

原因

遺伝素因と外因とがある。てんかんの出現頻度は一般人口では約0.3%であるが、てんかん近親者では約3.5%前後でかなり高く、そのほか双生児研究などからも、てんかんの発症に遺伝素因がある程度関与していることは否定できない。
 他方、局在関連性てんかんの大部分および症候性全般てんかんでは、脳損傷をおこす外因が主役を果たしている。外因には、器質脳疾患として脳炎、髄膜炎、脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍(しゅよう)、先天性脳疾患および形態異常、周生期(周産期)障害などがある。[大熊輝雄]

症状

てんかん発作、精神症状、人格障害などがある。てんかん発作は部分発作と全般発作に分けられる。部分発作は焦点発作ともよばれ、一側大脳半球の一部分に限局したてんかん原焦点から始まる発作で、発作の際に意識障害がない単純部分発作と、意識障害を伴う複雑部分発作とがある。単純部分発作には、運動症状(けいれん)のほか、しびれなどの体性感覚障害、視覚・聴覚・嗅覚(きゅうかく)・味覚・平衡感覚の異常、精神症状(失語、錯覚、幻覚、既視・未視感など)を伴うものなどがある。けいれんが下肢、上肢、顔面というように移動するものは、ジャクソン発作とよばれる。複雑部分発作は、古くはてんかん代理症とよばれ、精神運動発作や側頭葉てんかん発作にほぼ相当する。そのてんかん原焦点は大脳辺縁系(扁桃(へんとう)核、海馬など発生的に古い脳の部位)を中心とする側頭部にあり、発作間欠期の脳波には側頭部棘波(きょくは)が出現する。発作の際には、突然の意識混濁と同時に、自動症(その場にそぐわない動作や行動を自動的に行うもの)がおこり、あとで発作の間のことを記憶していない。
 全般発作には、欠神発作のように意識障害だけのものと、運動現象(両側性けいれん)を伴うものとがある。欠神発作(アブサンスabsenceともいい、狭義の小発作)は数秒から数十秒間意識が消失する発作で、脳波には3ヘルツ(毎秒3回)の棘徐波結合が出現する。幼小児期に発病し、発作頻度は多く、1日数十回以上に及ぶこともあるが、成人すると発作は消失し、知能障害を生じることも少なく、予後は比較的よい。ミオクロニーmyoclonus発作は電撃的、瞬間的に全身あるいは四肢や躯幹(くかん)の一部に強いけいれんがおこるもので、間代(かんたい)性けいれんはミオクロニーけいれんが律動的に繰り返すものである。強直発作は数秒間程度の短時間、筋の強直状態がおこる発作である。脱力発作では姿勢を保つ筋の緊張が発作的に消失する。全般強直間代発作は大発作ともよばれ、もっとも多い発作型である。患者は突然意識を失って倒れ、両側四肢の強直性、ついで間代性けいれんを示し、約1分間で発作は終わり、あと終末睡眠または発作後もうろう状態がみられることがある。発作頻度は比較的少なく、予後はよい。乳幼児期におこる年齢依存性てんかん性脳症には、6か月前後に発症し、短時間の強直性、ミオクロニー性、脱力性けいれん発作(これが頸筋(けいきん)におこると首を前屈するので点頭発作という)、高度の脳波異常(ヒプサリズミアhypsarrhythmia)、精神発達遅滞を伴うウェスト症候群(点頭てんかん)、それよりも年長児に発症し脳波に遅い棘・徐波複合を伴うレンノックスLennox症候群などがある。てんかん発作が短い間隔で反復性に長時間にわたって出現し、発作と発作の間隔にも意識障害が回復しない状態を発作重積(重延)状態という。全般強直間代発作の重積は生命に危険を及ぼすことがあり、ジアゼパムの静脈注射が有効である。そのほか欠神発作重積、精神運動発作重積などがある。
 精神症状を伴うことは比較的まれであるが、これには、もうろう状態、不機嫌状態などの一過性精神症状と、持続性精神病症状、知能障害などがある。てんかん性人格の特徴としては従来、粘着性や爆発性などがあげられてきたが、これらは他の器質脳疾患にもみられるものであり、てんかん患者の人格については環境要因を含めた力動的な理解が必要である。[大熊輝雄]

診断

前述のような発作症状の観察のほか、脳波所見が重要である。また、CTやMRI検査も脳器質疾患の診断に役だつ。[大熊輝雄]

治療

抗てんかん薬の連続服用によって発作を抑制することが第一である。有効な抗てんかん薬は発作型によって異なる。たとえば、強直間代発作にはフェニトイン、バルプロ酸ソーダ、カルバマゼピン、欠神発作にはエトサクシミドやバルプロ酸、複雑部分発作にはカルバマゼピン、フェニトイン、ゾニサミドなどが使われるが、ウェスト症候群には抗てんかん薬よりもACTH(副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモン)が使われる。また、睡眠不足、過労、飲酒などは発作を誘発しやすいので、生活指導も重要である。そのほか、職業指導もたいせつであるが、抗てんかん薬の治療で発作が抑制されているときには、原則として健康者と同様な生活をすることができる。なお、てんかんの研究、治療、啓発活動のために、専門家集団として「国際抗てんかん連盟」、患者、家族、市民の団体として国際、国内の「てんかん協会」がある。[大熊輝雄]
『大熊輝雄他編『現代精神医学大系11A てんかん』(1977・中山書店) ▽秋元波留夫・山内俊雄編『てんかん学の進歩1~3』(1987~96・岩崎学術出版社) ▽原常勝他著『てんかん――正しい理解と克服へのガイド』(1981・有斐閣選書)』

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