乾燥収縮(読み)カンソウシュウシュク

化学辞典 第2版 「乾燥収縮」の解説

乾燥収縮
カンソウシュウシュク
drying shrinkage

吸湿した多孔質の固体が乾燥により収縮する現象.多孔体中の水分は,自由水のほかに毛管凝縮水および吸着水として存在しており,吸着水の吸脱着による表面エネルギーの変化,および毛管凝縮水が形成しているメニスカスによる負圧の変化が吸湿・乾燥に伴う膨張・収縮の原因となる.すなわち,飽水した試料を乾燥していくと毛管水はメニスカスを形成し,その負圧によってフックの法則に従い収縮する.毛管水が完全になくなるまで乾燥すれば,メニスカスがなくなり膨張することになるが,表面吸着水の現象が起これば表面エネルギーが増大して収縮を示す.たとえば,木炭,セメント硬化体,あるいは多孔質ガラスなど微細な細孔をもつ多孔体では,完全乾燥状態から吸湿する際に,可逆吸着による膨張と毛管凝縮の負圧による収縮が打ち消し合い,いちじるしい吸着量の増大があっても膨張は小さく,かえって収縮する場合さえある.さらに飽水すれば負圧は消え膨張する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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