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木炭 もくたん charcoal

翻訳|charcoal

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

木炭
もくたん
charcoal

木材の炭化によって得られる固体生成物。黒炭 (中温炭化) と白炭 (高温炭化) に大別されるが,ほかにのこ屑を原料とするのこ屑炭 (素灰) ,特殊な製炭法による研磨用炭,画用木炭 (お花炭,飾り岩) などがある。

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デジタル大辞泉の解説

もく‐たん【木炭】

木を蒸し焼きにして炭化させた燃料。また、脱臭剤や脱色剤にも利用。炭(すみ)。 冬》
下絵・素描などに使う、細くて軟らかい炭。

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百科事典マイペディアの解説

木炭【もくたん】

炭とも。木材を炭窯でゆっくり乾留してつくった炭質物。木材の種類や炭化温度の高低により黒炭白炭の別がある。灰分が少なく(3%以下),炭素が80〜95%,発熱量7000〜8000kcal/kgで家庭燃料に利用されたが,需要は激減した。
→関連項目炭団無定形炭素木材乾留

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栄養・生化学辞典の解説

木炭

 木材を炭化したもので,燃料や吸着剤として用いる.

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大辞林 第三版の解説

もくたん【木炭】

木をむし焼きにして作った燃料。すみ。
デッサンや下絵などに使う、細くて軟らかい炭。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

木炭
もくたん

木材を、空気をわずかにして熱し炭化したもの。いわゆる炭(すみ)のことである。このとき木(もく)ガス、木酢(もくさく)、木(もく)タールが同時に生成する。[蜂屋欣二]

製法

木材を炭化する方法には、木炭生産を主とする製炭法と、木炭よりもガスや木酢、木タールの採取を主とする乾留法とがある。
 製炭法のうち、炭窯(すみがま)法は土や石の炭窯で製炭する方法で、れんがやブロック、コンクリート、鉄板などでつくる窯もある。日本、中国、韓国の製炭はほとんどこの方法によっている。窯の材料、炭化操作、炭化温度などの違う、黒炭窯と白炭窯とがあるが、それぞれ各地で多くの形式が考案されている。黒炭窯は耐火性の強い土でつくられ、原料木材を窯内に詰め、窯口でたき火して70~80℃で乾燥し、その後通風口を閉じて300~400℃に徐々に温度を上げて炭化させる。最後に通風して温度を500~700℃に上げて炭化を終え、窯を密閉して自然に冷却する。製炭期間は1週間程度で、収炭率は15~20%程度である。白炭窯は壁を耐火性のある石、天井を土でつくる。炭化の操作は黒炭窯とほぼ同じであるが、炭化の最高温度は約1000℃と高い。また冷却は炭化終了後、窯の外に取り出し、消粉(けしこ)(灰と砂に少量の水を加えたもの)をかけて急速に行う。このため木炭の表面に消粉がつき白くなるので白炭(しろずみ)の名がある。収炭率は10~15%程度である。黒炭(くろずみ)では樹皮も炭化して付着しているが、白炭では温度が高いので樹皮は燃えてなくなる。良質の木炭をつくるにはゆっくりと炭化させることが必要で、土や石の炭窯は炭化温度が上がりにくいので、温度の上がりやすいれんがや鉄板製の窯よりも硬く良質の木炭が生産できる。また炭化の終期に窯内温度を上げることを精練または「ねらし」といい、木炭の硬度を増し、不純物をなくし品質を向上させるためのもっとも重要な操作である。
 乾留法は、鉄板やれんが製の乾留炉で、乾燥材を最高400~500℃で急速に炭化させ、木炭とともに木ガス、木酢、木タールを採取する工業的方法。軟質炭で品質はよくない。チップや鋸屑(のこくず)、廃材などを用いることが多い。[蜂屋欣二]

種類

木炭の種類は製法と樹種によって区別される。製法の違いで炭窯炭(黒炭、白炭)、伏焼(ふせやき)炭、乾留炭などに分けられ、また製法が同じでも樹種によって品質が違ってくる。良質の木炭になる樹種は少ないが、ナラ属の樹種は一般に硬質で燃焼性のよい良質炭になり、ナラ炭、カシ炭、クヌギ炭と区別される。ほかの広葉樹の木炭はほとんど軟質で雑炭とされる。ただしカエデ、カンバなど、一部の樹種の炭はナラ炭に近い質になるので、特選雑炭と称して区別される。針葉樹の木炭はごく軟質で松炭と総称される。このほか廃材からのボイ炭や樹皮炭、鋸屑炭など、さらに成形薪(まき)を炭化した成形炭(オガ炭など)や、粉炭を粘結剤で成形した成形炭(竹を炭化させた竹炭など)などがある。[蜂屋欣二]

特性と利用

木炭の主成分の炭素含量は、炭化温度が高い硬質な炭ほど大きく、黒炭では80%以上、白炭では90%以上で不純物が少ない。着火温度も炭化温度に比例し、黒炭で350℃、白炭で450℃程度である。発熱量は1グラム当り約7000カロリー、容積重は0.5~0.7程度である。多孔質で内部表面積が大きいので、吸着性、反応性が高い。木炭は世界中で利用され、家庭の暖房、調理のほか、工業用にも需要がある。不純物が少ないので刃物鋼やチタン、ケイ素などの精錬に、反応性を利用して冶金(やきん)・製鉄、鉄の焼入れ、二硫化炭素製造などに、吸着性を利用して活性炭に活用され、研磨剤、画用木炭、化粧用眉墨(まゆずみ)などにも特殊な炭が利用される。また木炭は土壌改良材や水質浄化剤、調湿剤、消臭剤としても優れた特性をもつ。
 日本では有史以前より利用され、炭窯による製法も平安時代初期からの歴史がある。日本古来の木造で有床、戸障子づくりの住宅様式にあった家庭燃料として、製法や品質、燃焼器具が改良され、茶の湯炭(黒炭)や蒲(かば)焼きや魚肉調理用の備長炭(びんちょうたん)(ウバメガシを炭材とした白炭)などは世界一の品質である。生産量も最盛期(1957)は約220万トンで世界有数の木炭国であったが、家庭燃料としての石油・ガスの普及、住宅様式の洋風化などにより燃料革命が急速に進み、2009年(平成21)には国内生産約3万4000トンに落ち込んでいる。
 世界の木炭生産量をみると、開発途上国ではなお増加傾向にあるが、経済成長の盛んな国では減少傾向にある。2009年度の主要国の木炭生産量をみると、ブラジルが最大で約280万トンであるが減少傾向にある。2番目に多いナイジェリアは約220万トンで増加傾向にある。ナイジェリアの値は、日本の最盛期の値と同じである。[蜂屋欣二・藤森隆郎]

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世界大百科事典内の木炭の言及

【乾留】より

…石炭,木材,ピッチなどの固体有機物を,空気の流通を断って熱分解する操作をいう。これによって可燃性のガスや液体とともに,コークスや木炭が得られる。ここでは石炭および木材の乾留について述べよう。…

【炭】より

…木材の熱分解後の固体残渣(ざんさ)のことで木炭ともいう。炭を主目的として木材を炭化することを製炭といい,炭焼きともいう。…

【燃料】より

…最初の燃料の目的は明りと熱を得ることで,長い間木材がほとんど唯一の燃料として使われてきた。中世になって木炭,さらには石炭が使われるようになった。産業革命では蒸気機関が重要な役割を果たし,そのボイラーでたかれる石炭は最も重要なエネルギー源となった。…

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