可逆吸着(読み)カギャクキュウチャク

化学辞典 第2版 「可逆吸着」の解説

可逆吸着
カギャクキュウチャク
reversible adsorption

固体表面や界面への吸着と吸着分子の脱離が同程度に生じる吸着過程をいう.一般に物理吸着や分子状の化学吸着では可逆的であるが,解離吸着不可逆となることが多い.吸着の可逆性は,同位体トレーサーを利用して確かめることができる.原理的にすべての吸着は可逆吸着であるが,吸着に伴う発熱がきわめて大きく,したがって平衡が吸着側に偏っている場合は脱離の活性化エネルギーも大きいため,圧が十分低いか高温でないかぎり,可逆吸着とみなされない.可逆吸着では等しい吸着量を与える平衡圧の温度変化から吸着熱を求めることができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android