エンタルピーenthalpyまたは熱関数heat functionともいい、熱力学特性関数の一つである。記号はH。H=U+pVで定義される(Uは内部エネルギー、pは圧力、Vは容積)。系の内部エネルギーの増加ΔUは外部から供給された熱量qと外部からされた仕事ω(-pΔVになる)の合計であり、したがって、定義から、
ΔU=q+ω=q-pΔV
ΔH=q-pΔV+Δ(pV)=q+VΔp
それゆえ、圧力が一定(定圧)の条件では、
ΔH=q
外部から供給された熱量がエンタルピー増加ΔHになる。系のなかで化学変化が一定圧(さらに一定温度の場合も多い)でおこり、それに伴って熱量が吸収されるとΔHは正、また普通よくみられるように熱量が放出されると負になる。たとえば、
C+O2=CO2 ΔH=-94.052kcal
ではΔHが負(発熱)である。
[戸田源治郎]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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