デジタル大辞泉 「相応」の意味・読み・例文・類語
そう‐おう〔サウ‐〕【相応】
1 つりあいがとれていること。ふさわしいこと。また、そのさま。「収入
2 仏語。心と、心の働きとが互いに結びついていること。また、心と対象世界との結合、因と果との結合、身・口・意の
[類語]対応・相当・応分・分相応・適当・適切・適正・適確・至当・妥当・穏当・好適・適合・合致・即応・正当・順当・ぴったり・それなり・
(西口順子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
平安前期の天台宗の僧。近江国(滋賀県)浅井郡の生れ。俗姓は櫟井(いちい)氏。15歳のとき鎮操(ちんぞう)に従って比叡山に登り,17歳で沙弥(しやみ)となる。855年(斉衡2)円仁(えんにん)について得度受戒し,12年の籠山(ろうざん)修行に入った。858年(天安2)西三条女御(にようご)(藤原良相(よしみ)の娘)についた霊気をはらい,呪験力をもって有名になった。こののち,比良山,金峰山において修行し,863年(貞観5)には等身大の不動明王の像をつくり,865年これを安置する無動寺を建立した。866年奏請して最澄に伝教,円仁に慈覚の大師号を賜った。これが日本における大師号の始まりである。882年(元慶6)無動寺を天台別院とし,890年(寛平2)内供奉(ないぐぶ)に任ぜられる。晩年は不断念仏を実践した。
執筆者:中井 真孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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…このように我々は映画のフィルムの各こまを見るように,瞬間ごとに異なった法を経験しているのだと唱え,諸行無常を説明するのである。 心理論としては46の心所(心理現象,これは上述の70ほどの法に含まれる)のおのおのが認識主体としての心と結びつき(相応,チッタサンプラユクタcittasaṃprayukta),心理現象が現れるという心・心所相応説を明示している。また特に心と相伴う関係にあるのではなく,物でも心でもなく,それらの間の関係とか力,また概念などの心不相応行法(チッタビプラユクタ・サンスカーラダルマcittaviprayukta‐saṃskāradharma,これも上の70ほどの法に含まれている)の存在を認めた。…
…護法は,霊山における古層の神が新米の聖の使霊と化したのでもあり,陰陽道の識神とも重なり,飛鉢譚が仏教の枠を超えた独自な宗教世界の話であることを具体的にあらわす存在といえよう。比良山と琵琶湖をめぐる飛鉢の伝統は中世を通じて続き,伊崎寺には無動寺の相応和尚の飛鉢譚とその祭儀化である竿飛び(さおとび)を伝え,対岸の白鬚(しらひげ)神社にも飛鉢譚と〈神通飛行の鉄鉢〉を残す。ともに叡山の勧進所であった。…
…注目すべきは,日吉造と称される本殿形式であり,東西両本宮と宇佐宮本殿に採用されている。日吉造は正面3間,側間2間の母屋(もや)の正面と両側面の3方に庇を付加した形で,母屋の2面に庇をもつ形式(厳島神社など),四面庇の形式(北野天満宮,八坂神社など)に発展する中途の段階の形を固定化したものと考えられ,その起源は天台宗の僧相応(831‐918)が887年(仁和3)に東本宮を造立し,890年(寛平2)に西本宮を同じ形に改造したときにさかのぼる。また上部に山形をつけた山王鳥居は,他の社にみられない特異なものである。…
※「相応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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