え成らず(読み)エナラズ

デジタル大辞泉 「え成らず」の意味・読み・例文・類語

え‐なら◦ず【え成らず】

[連語]副詞「え」+動詞「な(成)る」の未然形+打消しの助動詞「ず」》
なみひと通りでない。
「いはけなきたづ一声聞きしより葦間あしまになづむ舟ぞ―◦ぬ」〈若紫
なみなみでなく、すぐれている。
「琴の音も月も―◦ぬ宿ながら」〈帚木
[補説]「なら」を助動詞「なり」の未然形とし、その上に来る状態を表す語が略されたものとする説もある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例