イゼール県(読み)イゼール(英語表記)Isère

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イゼール県」の意味・わかりやすい解説

イゼール〔県〕
イゼール
Isère

フランス南東部,ローヌアルプ地域 (レジオン) の県。ドーフィネ地方北部,ローヌ川とアルプス山地との間にある。県都グルノーブル。北西部の丘陵地は大消費地リヨン市に牛乳,牛肉を供給する牧畜地帯。その南,第四紀の氷河によって拡大された旧イゼール河道のビエーブル低地帯は,穀類栽培,乳牛飼育の行われる豊かな農業地帯で,さらに南にイゼール川まで続くシャンバラン高原の地味のやせた森林地帯と対照的である。イゼール川沿いの段丘上では農業が盛んで,クルミの特産地。グルノーブル市上流にあるグレジボーダン低地は,タバコ,ブドウ,牧草が栽培されるほか,多くの工業町がある。イゼール河谷,シャンバラン高原東縁の町々をはじめ,東の県境にあるルポンドボーボアザン地区でも,絹,ビロード織物が行われ,製紙,刃物製造,リキュール製造,皮革加工などとともに県の主要工業。グレジボーダン低地の南東側はベルドンヌ山脈 (最高点 2981m) ,南の県境付近はペルブー山脈 (最高点 4103m) で主要観光地帯,ラルプデュエーズ,シャムルスなどウィンタースポーツの中心地が多い。ドラック川上流地区には多くの水力発電所があり,金属工業も発達している。面積 7431km2。人口 101万 6228 (1990) 。

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