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クルミ

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栄養・生化学辞典の解説

クルミ

 [Juglans baccata],[Juglans regia].ブナ目クルミ科クルミ属の落葉樹の食用の種子で,脂肪,タンパク質に富む.

出典|朝倉書店
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百科事典マイペディアの解説

クルミ

クルミ科の落葉高木で,クルミ属の総称である場合と,オニグルミ1種をさす場合とがある。クルミ属は北半球に約15種。日本にはオニグルミとヒメグルミが自生する。オニグルミは北海道〜九州の山野の流れに沿って多くはえる。

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食の医学館の解説

くるみ【クルミ】

《栄養と働き&調理のポイント
 種実類のなかでもっともエネルギーが高く、脂質の多い食品です。
○栄養成分としての働き
 主成分は脂質で、70%以上がリノール酸やγ‐リノレン酸などの良質の不飽和脂肪酸なので、血液の粘性を抑え、血管の老化を予防します。したがって、動脈硬化など生活習慣病の予防に最適です。最近では、コレステロール値を下げる働きがあることもわかっています。
 グルテリンという良質のたんぱく質も多く含み、消化吸収しやすいので高い強壮効果が期待できます。
 ビタミンB1、B2も含み、疲労回復、体力増強に役立ちます。
 脂質に含まれる脂溶性ビタミンのビタミンEも動脈硬化予防に役立ち、肌をきれいにして老化を防いでくれます。
○漢方的な働き
 ぜんそく、腰痛、足腰の弱り、精力減退、頻尿(ひんにょう)、便秘(べんぴ)などに効果があります。脳にもよいとされ、老人性痴呆症(ちほうしょう)にも有効といわれています。
○注意すべきこと
 高カロリーなので、肥満が気になる人はひかえめに。健康な人にとっても食べすぎは禁物です。すりつぶして青菜と和えたり、細かく刻んでサラダにふりかけたりすれば、食べすぎを防ぎ、吸収も高まります。古くなって酸化したものを食べると下痢(げり)を起こすことがあるので、殻(から)をむいたものは早めに食べきりましょう。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クルミ
くるみ / 胡桃
walnut
[学]Juglans

クルミ科クルミ属の総称。落葉高木で、まれに低木もある。葉は互生し、羽状複葉、裏面に腺点(せんてん)があり臭気がある。花は葉が開くとともに開き、雌雄同株。雄花は尾状花序につき、2枚の小包葉と4枚の花被片(かひへん)があり、雄しべは6~20本。雌花は枝に頂生し、花は少数ないし多数。1枚の包葉、2枚の小包葉、4枚の花被片が合着して1本の雌しべを包み、子房は下位。花柱は2裂し大きく、黄緑色か赤色、内側は乳頭状突起が著しい。果実は大形の核果で、肉質の外果皮と堅い内果皮に包まれて大きな胚(はい)があり胚乳はない。2枚の子葉は大きくそれぞれ2裂し背面にしわがある。発芽時も果実の中に収まっていて外に出ない。北半球の温帯に約15種分布する。小葉にほとんど鋸歯(きょし)がなく、内果皮の薄いカシグルミ節と、目だつ鋸歯があり、内果皮の厚いオニグルミ節に分類される。カシグルミ(菓子胡桃)、一名テウチグルミ(手打胡桃)は、ヒマラヤから中央アジアに野生するペルシアグルミJ. regia L.の栽培変種で広く栽培される。子葉は食用となり、樹皮、果皮は染料に、材は堅いので家具材、ピアノ材などにする。4世紀ころに中国へ西方から渡来したので胡桃(ことう)という。また呉桃(ごとう)ともいい、クルミの名は呉果(くれみ)からきたのだろうといわれる。[伊藤浩司]

食品

クルミの食用部は、堅い殻の中にある子葉(しよう)である。可食部を炒(い)った場合100グラム中に、タンパク質14.6グラム、脂質68.7グラム、炭水化物11.7グラム、リン280ミリグラム、ビタミンB10.26ミリグラム、ナイアシン1ミリグラムその他を含み、673キロカロリーと高い熱量をもつ。独得な香ばしい味は、タンパク質や脂肪分の少なかった昔の食生活には貴重な山の幸であった。オニグルミのように堅い殻は、炒り鍋(なべ)に入れて熱を加えると殻の先端が稜線(りょうせん)に沿って割れるので、これを押し開くか、先端を金槌(かなづち)でたたくと割れる。カシグルミは割れやすいので、くるみ割り器を用いる。子葉の薄皮は熱湯に通すとむけ、そのままか、飴煮(あめに)にして食べる。和風料理では、すりつぶして、和(あ)え物、みそと混ぜてくるみみそ、葛粉(くずこ)と料理してくるみ豆腐をつくり、くるみ餅(もち)、柚餅子(ゆべし)など和菓子にも利用する。洋風には、ケーキの飾りに用いるほか、パンの材料に混ぜたり、バターやチーズと練り合わせたりする。油で揚げて中華料理の旨煮(うまに)にするなど料理法は多い。[飯塚宗夫]

民俗

東日本ではクルミの木を小正月(こしょうがつ)の若木として迎え、行事の飾りなどの材料にする地方がある。長野県や群馬県に顕著で、正月15日の小豆粥(あずきがゆ)の粥かき棒、粥の箸(はし)、飾りの粟穂稗穂(あわぼひえぼ)、削り掛け、物作りなどに用いる。クルミは木の成長が早く、細工(さいく)も容易で、ヌルデに次いで便利な材料であるが、食用の堅果がなる木であることも選択の動機の一つであろう。岩手県遠野市では、小正月の年占(としうら)に、クルミの実を月の数だけ炉に並べ、その焼けぐあいで1年間の各月の天候を占った。同県九戸(くのへ)郡の川ではクルミの樹皮を使った毒流し漁が行われた。『古語拾遺(こごしゅうい)』(807)の神話に、稲の苗の害虫除(よ)けに、田のあぜにジュズダマ、サンショウ、クルミの葉、それに塩をまくとよいとする描写がある。サンショウも樹皮を毒流し漁に用いるから、木の毒性を害虫除けに利用したのであろう。
 北海道のアイヌの人々の間でも、クルミの木の毒性が大きな意味をもっていた。樹皮や外果皮を使った毒流し漁もあったらしい。神謡にも、上流にクルミの木で簗(やな)をつくったので、サケが川を上らなかったとある。クルミでつくった弓矢で川上を射るとサケが上らず、また、シカを根絶やしにするといって大空を射るとクルミの風が吹いてシカの群を巻き上げたという。北東部では熊祭のとき、魔神を払うためにクルミの実をまいた。また蛇神あるいは狼(おおかみ)神など特定の神に捧(ささ)げる幣(ぬさ)をクルミの木でつくる地方もある。
 リトアニア共和国では、クルミが創世神話に登場する。天空にいる最高神が大洪水を起こさせたとき、地上の高い山に逃れた幸運な人間と動物を救ったのは、その最高神が天宮の庭に生えたクルミの仁(み)を食べて捨てた殻であった。クルミの実は古代ギリシア・ローマ時代から、ヨーロッパでは豊穰(ほうじょう)のシンボルとされた。クルミの木は中部ヨーロッパではカシなどと並ぶ神聖な木でもあった。ドイツではイースターの前夜祭の火で焼いたクルミの枝を家に掛けておくと雷除けになると伝えていた。[小島瓔

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