エキスパンションジョイント(読み)えきすぱんしょんじょいんと

知恵蔵mini の解説

エキスパンションジョイント

建物の躯体(くたい)と躯体の間にすき間を持たせ、地震の揺れを分散させたり、吸収したりして躯体の被害を守る工法。ないしは、同工法において躯体同士の連結に使用されるアルミステンレスなどの金属板で製造される建築部材のこと。多くのビルは形や重さの異なる別々の躯体をつなぎ合わせて建てられるが、L字型構造や渡り廊下のある建物などの場合、温度変化による伸縮や地震による揺れで無理な力が部分的に集中しないよう同工法、同部材を用いる。地震の強い揺れなどを受けると同部材が壊れ、躯体が開いて衝撃を和らげる。2016年4月14日夜に震度5強の地震に見舞われた熊本市中央区の13階建てマンションで二つの棟を各階で結ぶ渡り廊下がずれているように見える状態となり、この写真が話題となってネット上で拡散されたが、震災被害による亀裂に見える同マンションの状況は、同工法による衝撃緩和設計によるものだと専門家が指摘している。

(2016-4-19)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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