ザクセン諸公国(読み)ザクセンしょこうこく(英語表記)Sächsische Herzogtümer; Saxon Duchies

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザクセン諸公国」の意味・わかりやすい解説

ザクセン諸公国
ザクセンしょこうこく
Sächsische Herzogtümer; Saxon Duchies

ドイツ中部のチューリンゲン地方のエルンスト系ザクセン公国が分裂して成立したいくつかの小公国。エルンスト家は,1485年にザクセン選帝侯家ウェッティン家の2子の間での領土分割で生れた兄脈の家柄である。この分割で兄脈エルンスト家はザクセン選帝侯位とチューリンゲン地方の大部分の所領を得たが,宗教改革時代プロテスタント側に立ち,シュマルカルデン戦争に敗れてザクセン選帝侯位と多くの領土を失った。それ以降しばしば分割相続が行われ,コーブルク,ワイマール (→ザクセン=ワイマール公国 ) ,アイゼナハなどの小公国が成立,1826年以後ザクセン諸公国は4つを数えた。これら諸公国は必ずしも政治的に歩調を合せたわけではなく,66年のプロシア=オーストリア戦争ではオーストリア側に立つ公国もあった。4公国はやがてすべて北ドイツ連邦に統合され,次いで 71年成立のドイツ帝国に編入された。エルンスト家の公位は 1918年のドイツ革命の際の退位まで存続した。

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