精選版 日本国語大辞典 「領土」の意味・読み・例文・類語
りょう‐ど リャウ‥【領土】
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国家に属する地的管轄範囲(国家領域)のうちの陸地部分をいう。通俗的には、国家領域(領土、領海、領空)を意味することもある。また、陸地に囲まれた水面、つまり、琵琶(びわ)湖、霞(かすみ)ヶ浦などの湖沼や河川、湾などは、内水とよばれるが、領海とは区別して領土の概念に包含する。領土は、国家の不可欠の要素であり、その地域に対しては、国際法に反しない限り、国家の立法、行政、司法の権限が排他的に及ぶ。この国家の権限を領土主権または領域主権とよんでいる。したがって、領土内にある人や物は、外国人やその所有物であっても、その領土国の法令によって規制される(属地的管轄権)。
領土は、添付、侵食などによっても増減するが、割譲、交換、売買などによって移転する。日清(にっしん)、日露戦争による台湾・澎湖(ほうこ)島、南千島の割譲、1875年(明治8)の千島・樺太(からふと)の交換、1867年のアラスカのロシアからアメリカへの売却などはその例である。無主地は先占によって取得でき、1939年(昭和14)の新南群島(南沙(なんさ)群島)の領土編入はその例であったが、ヨーロッパ諸国は、先住民のすでに住んでいる地域でも、近代国家を形成していないアフリカ、南アメリカなどの地域は先占を理由に領土に編入し植民地化した。第二次世界大戦後、このような「先占」は不法として批判された。
領土は、海洋、河川、分水嶺(ぶんすいれい)などの自然的地形により区画されるほか、経緯度線や境界石などによりその境界(国境)が表示される。しかし、領土の帰属をめぐる国家間の紛争も多く、わが国も、北方領土、竹島、尖閣(せんかく)列島をめぐり、ロシア連邦、韓国、中国(台湾)との間に領土紛争問題を抱えている。領土は、その領有国が単独に統治するのが原則であるが、2国以上が領有または統治し、または、領有国以外の国が統治(施政)を行い、さらに、統治について隣接国から制約を受けるなどの変則的場合もある。領土共有の事例としては、1867年(慶応3)の樺太島仮規則以後、1875年の樺太・千島交換条約まで、日本と旧ロシア帝国が樺太島を共有した例、1980年の独立までニュー・ヘブリデス(現バヌアツ)をイギリス、フランスが共有した例などがある。領有国以外の国が施政した例としては、中国から旅順・大連、膠州(こうしゅう)湾、広州湾、威海衛、九竜(きゅうりゅう)半島をそれぞれロシア(のち日本)、ドイツ、フランス、イギリスが租借した例がある。パナマ運河地帯をアメリカが施政し、1951年(昭和26)の対日講和条約により小笠原(おがさわら)(1968年まで)、沖縄(1972年まで)をアメリカが施政した例もある。この場合、同地域の潜在主権は日本に残されたと解されていた。
領土について負担を負った例としては、他国に通過を認める積極的国際地役や、要塞(ようさい)や軍隊の設置をしない旨約束する消極的地役の例がある。委任統治地域や信託統治地域も、特殊な領土の形態だったといえる。
[宮崎繁樹]
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