ゾウゲヤシ(象牙椰子)(読み)ゾウゲヤシ(英語表記)ivory nut palm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾウゲヤシ(象牙椰子)」の意味・わかりやすい解説

ゾウゲヤシ(象牙椰子)
ゾウゲヤシ
ivory nut palm

象牙質の硬い胚乳を生じるヤシ類の総称。服のボタンなどをつくるためボタンヤシの名もある。この1種カロリンゾウゲヤシ Coelococcus amicarumカロリン諸島湿地に生える。サゴヤシに似た形状で葉腋から2~3mもの長い花序を放射状に出す。果実は先端が少しとがった球状で,直径8~10cm。表面は暗赤色で美しい光沢があり,密に接着した硬い鱗片でおおわれる。種子は直径 5cm内外のやや平らな球形で,その内容の大部分は象牙質の硬い胚乳で占められている。胚乳は乳白色で磨くと光沢を生じ,また容易に着色もできるのでボタンをつくったり,彫刻用に用いられる。同様に利用されるものにソロモン諸島産の C. solomonensis,フィジー諸島産の C. vitiensis,熱帯アメリカ産の Phytelephas macrocarpa,ブラジル産の Attalea funifera,西アフリカ産の Rhaphia uiniferaなどがある。

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