上方贅六(読み)カミガタゼイロク

デジタル大辞泉 「上方贅六」の意味・読み・例文・類語

かみがた‐ぜいろく【上方×贅六】

《「かみがたざいろく」の音変化》江戸っ子上方の人をののしっていう語。

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精選版 日本国語大辞典 「上方贅六」の意味・読み・例文・類語

かみがた‐ぜいろく【上方贅六】

〘名〙 (「せいろく」は上方で丁稚(でっち)のことをいう隠語「さいろく」の江戸なまり) 江戸で、上方の人を卑しめ、ののしっていった語。かみがたざいろく。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「おめへがたの事を上方(カミガタ)ぜへろくといふはな」

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世界大百科事典(旧版)内の上方贅六の言及

【江戸っ子】より

…作者の山東京伝は,江戸っ子の典型を,将軍のお膝元しかも下町の中心街に生まれ育ったな町人とすることにより,はっきりと〈田舎者〉の野暮に対置している。さらに,一等地にある屋敷を売り払っても吉原を総揚げするという,金ばなれのよさや尻の穴の大きさに江戸っ子の典型をみることにより,明らかに〈上方贅六(ぜいろく)〉のけちとも対置している。
[江戸っ子意識の変容]
 18世紀後半の江戸社会の変質を契機として成立した江戸っ子意識は,やがて19世紀前半の文化・文政期には,さらにひろく江戸の下層社会にまで浸透した。…

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