山口城(読み)やまぐちじょう

日本の城がわかる事典 「山口城」の解説

やまぐちじょう【山口城】

山口県山口市滝町(周防(すおう)国)にあった平城(ひらじろ)。1864年(元治1)毛利敬親(もうりたかちか)が、山口の一露山の麓に築城し、萩城から移り居城とした。長州藩内では山口屋形(やまぐちやかた)といい、藩外では山口城と呼んだ。御殿は、萩城の御殿を解体して移築した。水堀をめぐらせた程度で、天守もなかった。第一次長州征討の時、敬親は幕府に対して恭順の意を示し、完成したばかりの城の一部を破却して萩城に戻ったが、1866年(慶応2)に再び政庁を山口城に移転した。同年の第二次長州征討では、山口城は政治・軍事の拠点として機能、長州藩に圧倒的な勝利をもたらした。明治維新を迎え、1871年(明治4)城内に山口県庁が置かれた。1873年(明治6)陸軍省の所管になったが、同年大蔵省の所管に移り廃城となった。水堀の一部と表門が現存しているほか、大正期に旧城内に建てられた旧県庁舎と旧県議事堂が、山口県政資料館として利用されている。JR山口線山口駅からバス5分、県庁前下車。◇山口屋形、山口政庁、山口藩庁ともいう。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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