日傭取り(読み)ヒヨウトリ

デジタル大辞泉 「日傭取り」の意味・読み・例文・類語

ひよう‐とり【日×傭取り】

日雇いで働くこと。また、その人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日傭取り」の意味・わかりやすい解説

日傭取り
ひようとり

日傭、日用、日雇(ひやとい)ともいい、日決めの賃稼ぎをいう。江戸時代、主要都市に借屋住いの貧民層として存在し、17世紀後半には在郷町農村に広がっていった。初期には都市で城郭建築・都市建設のため多数の労働力が必要であり、とくに大名は城郭普請(ふしん)に膨大な日傭を使った。かつて豊臣(とよとみ)秀吉農民が都市へ賃仕事に出ることを禁じたが、前期にはこうした禁令は各藩でみられる。しかし都市には相当数の日傭が住んでおり、雑多な仕事に従事していた。鳶口(とびぐち)、車力(しゃりき)、米搗(つ)きなども日傭的な性格として把握された。幕府は都市貧民対策として、17世紀中葉には江戸・大坂などで日用頭(かしら)を置いたり、日用座(ざ)を設け、日用札(ふだ)を発行して、彼らを統制した。

[脇田 修]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android