デジタル大辞泉
「鳶口」の意味・読み・例文・類語
とび‐ぐち【×鳶口】
樫の棒の先に鳶のくちばしに似た形の鉄製の鉤をつけたもの。火事のときに家屋を壊したり、材木運搬の際にひっかけたりするのに用いる。鳶。
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とび‐ぐち【鳶口】
- 〘 名詞 〙
- ① 棒の先端に、鳶のくちばしに似た鉄製の鉤(かぎ)を付けたもの。物をひっかけたり、引き寄せたりするのに用いる。
鳶口①〈日本山海名物図会〉
- [初出の実例]「鴟口のさきとがる三ケ月〈正春〉 秋かぜをおききゃるかとて木やりして〈重故〉」(出典:俳諧・生玉万句(1673))
- ② =とび(鳶)の者
- [初出の実例]「鳶口も長髷となり、依然として旧の如し」(出典:東京日日新聞‐明治七年(1874)七月二六日)
- ③ ( ①が物を引き寄せる道具であるところから ) 欲深く物を取り込むこと。
- [初出の実例]「さだまりたる手のよきとびぐちは、くるしかるまじき事也」(出典:評判記・吉原すずめ(1667)下)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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鳶口
とびぐち
破壊消防、木材運搬などで、物をひっかけたり、引き寄せたりするのに用いる道具。鳶職の意にも用いられる。カシの棒の先に物をひっかけるために鉄製の鉤(かぎ)を取り付けたもの。その鉤の形がトビの嘴(くちばし)に似ているので、トビグチとよばれた。鳶口には、江戸時代の火消人足(にんそく)の鳶頭(とびがしら)が用いた、柄(え)の長さ二尺(約60センチメートル)ほどの装飾入りの手鉤や、平(ひら)人足用の柄の長さ五尺(約151センチメートル)の長鉤がある。一方、山出し人夫や川並(かわなみ)人足の木材搬出用の筏(いかだ)鉤は、柄の長さ六尺(約182センチメートル)の竹竿(ざお)に鉤をつけたもので、水棹(みずざお)と鳶口を兼ねている。
[宮本瑞夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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鳶口【とびぐち】
竹や木製の棒の先端に鉄製の鉤(かぎ)をつけ,破壊消防や,木材の積立・搬出・流送などを行う道具。0.6〜3mまで,用途に応じて各種の長さのものがある。鳶職の名はこれに由来する。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内の鳶口の言及
【鳶】より
…鳶職,鳶の者,鳶人足,仕事師ともいう。トビという職名は,彼らが鳶口または鳶と称する樫棒の先に鋼鉄製の鉤(かぎ)をつけた道具を携行することに由来する。鳶口は川狩や木場など木材を扱う者の道具で,[火消]にも使用され,火消人足も鳶とか鳶の者と呼ばれた。…
※「鳶口」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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