琉球本(読み)りゅうきゅうぼん

改訂新版 世界大百科事典 「琉球本」の意味・わかりやすい解説

琉球本 (りゅうきゅうぼん)

琉球(今の沖縄県)で刊行された本のことであるが,江戸時代後期に開版された整版本をさすのが普通である。《球陽》によれば琉球では1674年にすでに暦が木版印刷され,78年には時憲暦(じけんれき)を印刷して国中に広めたという。しかし現存が知られているのは,1844年刊行の《童子摭談(どうじせきだん)》ほか19世紀中葉以降のもの数点にすぎない。文書にはそのほかにも刊本のあったことが記されているが,中国福州で刊行されたものが含まれているようである。現存の琉球本はいずれも料紙に,当時の公用紙として用いられた百田紙(ひやくたし)(ムンダガミ)が使われている。また,現存のものの多くは,《沖縄県立図書館資料叢書》に覆製,収録されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android