時憲暦(読み)じけんれき(その他表記)Shi-xian-li; Shih-hsien-li

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「時憲暦」の意味・わかりやすい解説

時憲暦
じけんれき
Shi-xian-li; Shih-hsien-li

中国,清朝の暦書。清代には時憲書と称した。天文学に基づく暦法は,中国では政治的意味をも有し,王朝交代のときに新たな天命を受けた証拠として改暦が行われた。明末の崇禎4 (1631) ~7年に西洋暦を採用した『崇禎暦書』が作られたが,明朝ではこの暦法は施行されなかった。清朝の順治2 (45) 年にシャル・フォン・ベル (湯若望) は暦制作の命を受けて,『崇禎暦書』に基づきこれを完成したが,これが清朝の暦法の『時憲暦』である。これには「西洋新法による」との注記がある。

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関連語 ベル

世界大百科事典(旧版)内の時憲暦の言及

【暦】より

…貞享暦以後は宝暦暦寛政暦と次々改められ,1844年(弘化1)より最後の太陰太陽暦である天保暦が施行された。天保暦は実施された太陰太陽暦として歴史上もっとも精密なものといわれ,当時中国で用いられていた時憲暦よりも水準は上であると評されている。現在民間で俗用されている,いわゆる旧暦は閏月の置き方のみを天保暦に借りているが,基本的な数値や計算法は現代の理論や数値に従っているから天保暦とはいえない。…

※「時憲暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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