現存(読み)げんそん(英語表記)presence

翻訳|presence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「現存」の解説

現存
げんそん
presence

に目の前にあること。そのような存在者 (日本語ではそれぞれ,現前,現存と使い分けることがある) 。時間的現在と表裏一体をなし,不在と対立する。また,カトリック教義では,聖体のパンとぶどう酒にキリスト血肉実体変化して宿っていることを「実的現存」と言い表わす (臨在と訳す) 。現存の概念が重要なものとなったのは,20世紀前半の人格主義的な実存主義思想においてである。たとえば G.マルセルにとってそれは,私-あなたという対面の人間関係とそのような関係のなかにいる本然的な人間存在をさす。また同じ思想傾向に立って H.グイエは,俳優の迫力を現前と呼ぶ演劇用語の伝統をふまえつつ,演劇を現前の芸術と規定した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

クアッド

《「クワッド」とも》多く複合語の形で用い、四つの、四倍の、などの意を表す。「クアッドプレー」...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android