産霊神(読み)むすぶのかみ

精選版 日本国語大辞典 「産霊神」の意味・読み・例文・類語

むすぶ‐の‐かみ【産霊神】

〘名〙 「むすひ(産霊)の神」の変化した語。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「人知れぬむすぶの神をしるべにていかがすべきとなげく下ひも」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「産霊神」の意味・わかりやすい解説

産霊神
むすびのかみ

天地万物を産みなす霊妙な力をそなえた神。産巣日神,産日神とも書く。「むすび」の語釈については本居宣長の『古事記伝』に詳しい。「むす」については「産巣日は,字は借字にて,産巣は生 (むす) なり。其は男子 (むすこ) ,女子 (むすめ) また苔の牟須など云牟須にて物の成出るを云ふ」とあり,「び」については「日は,書紀に産霊と書れたる霊字よく当れり。凡て物の霊異 (くしび) なるを云ふ」とあり,結局「産霊とは,凡て物を生成すことの霊異なる神霊 (みたま) を申すなり」と説かれている。この神には,タカミムスビノカミ,カミムスビノカミ,イクムスビノカミ,タルムスビノカミなどがあるが,宣長は,世の多くの神のなかでもことに尊い神としてタカミムスビノカミ,カミムスビノカミをあげている。

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