脊髄麻酔(読み)せきずいますい(英語表記)spinal anesthesia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脊髄麻酔」の意味・わかりやすい解説

脊髄麻酔
せきずいますい
spinal anesthesia

脊椎麻酔腰椎麻酔ともいう。脊髄クモ膜下腔に局所麻酔薬を注入して神経根を麻痺させ,手術のための無痛域をつくる麻酔方法をいう。一般的に行われるのは腰部脊髄麻酔法 (腰椎麻酔) で,下腹部下肢の手術に広く用いられる。患者を側臥位にして第3~4,4~5腰椎間で穿刺し,テトラカイン (テトカイン) ,リドカイン (キシロカイン) ,ジブカイン (ペルカミン) などを注入すると,5~10分後に感覚麻痺と運動麻痺が起る。筋肉が十分に弛緩し,しかも麻酔と手術の両方を外科医が行えるので,広く用いられている。かつては上腹部手術も脊髄麻酔で行われていたが,低血圧,嘔吐,呼吸筋麻痺が起ることがあり,また患者の意識も喪失しないので,全身麻酔の普及につれて減少しつつある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android