コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

嘔吐 おうとLa Nausée

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

嘔吐
おうと
La Nausée

フランスの哲学者,作家サルトル小説。 1938年刊。主人公の内的体験を日記の形で書き記した一種の哲学小説で,彼アントアーヌ・ロカンタンは周囲の事物,人間,そして自分自身に対してときどき不可解な吐き気を感じ,その原因を探るうち,それらがすべてなんの存在理由もなくそこにあるということからくるのだと悟る。作者がのちに唱える実存主義哲学がすでにその姿を現しているが,力強い表現と具体的で興味ある挿話とにより,哲学的考察の抽象性を感じさせない。

嘔吐
おうと
vomiting

延髄にある吐中枢の刺激によって胃の逆ぜん動,横隔膜挙上,胃噴門の開口などが起り,胃内容を吐き出す現象をいう。原因としては消化器疾患によるものと,他臓器の疾患から反射的に起るものや中枢性のものがある。胃疾患では,胃炎,胃癌,胃潰瘍などで起りやすく,癌や潰瘍で幽門が狭窄すると頻発する。腸疾患では,イレウス (腸閉塞症) ,虫垂炎などによく起る。そのほか,胆石発作や急性膵炎でも嘔吐が起りやすい。中枢性のものとしては,不快感や頭蓋内圧亢進尿毒症や妊娠中毒症などのほか,船酔いやメニエール症候群などの迷路刺激によることもある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

おう‐と【×嘔吐】

[名](スル)食べたものを胃から吐き戻すこと。「苦しそうに嘔吐する」
[補説]書名別項。→嘔吐

おうと【嘔吐】[書名]

《原題、〈フランス〉La Nauséeサルトルの小説。1938年刊行。外界の事物によってもたらされる主人公ロカンタンの嘔吐感を通じて「存在」の偶然性が探求される。実存哲学が小説化された作品。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典の解説

嘔吐

 胃内容物が強制的に食道口腔を経て排出される現象.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

おうと【嘔吐 vomiting】

胃内容物が口から吐き出される反射運動。一種の毒物に対する防御反応で,嘔吐に際しては吐き気を伴う。
[吐き気と嘔吐のしくみ]
 吐き気nauseaは悪心ともいい,舌根咽頭,むなもとに感じる特有の不快感で,〈むかつく〉とも表現され,同時に唾液分泌増加(なまつば),冷汗,顔面蒼白,脈拍数の増加が起こる。呼吸は深く,速く,不規則になる。ついで呼吸筋は痙攣(けいれん)性に収縮し,声門は閉じる。これによって吐物が気管内に吸引されるのを防いでいる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

おうと【嘔吐】

( 名 ) スル
食べた物をもどすこと。吐くこと。腹壁筋と横隔膜の反射的収縮によって、胃の内容物が、口から外へ吐き出されること。
おくび。げっぷ。 〔日葡〕
[句項目]

おうと【嘔吐】

サルトルの小説。1938年刊。主人公ロカンタンの嘔吐感を通して、存在の虚無性を探る哲学的な実存主義小説。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の嘔吐の言及

【悪心】より

…吐き気,嘔気ともいい,今にも嘔吐しそうな不快な感覚をいう。嘔吐に先行することが多い。…

※「嘔吐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

嘔吐の関連キーワードアセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症/自家中毒症)マロリー=ワイス症候群フルクトース不耐症塩酸ジフェニドールアセトン血性嘔吐症ジメンヒドリナート肥厚性幽門狭窄症流行性下痢低ナトリウム血症ペラグラチフス肝てつ(蛭)症二塩化エチレン低副腎皮質機能嘔吐(医学)無鉤条虫感染エチケット袋耐熱性毒素冬期嘔吐症神経性嘔吐自家中毒

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

嘔吐の関連情報