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脊椎麻酔 せきついますい spinal anesthesia

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世界大百科事典 第2版の解説

せきついますい【脊椎麻酔 spinal anesthesia】

局所麻酔の一種。脊椎のくも膜下腔に注射針を穿刺(せんし)して麻酔薬を注入し,脊髄神経の前根と後根を麻痺させることにより麻酔が得られる。腰椎に穿刺することが多いので,腰椎麻酔lumbar anesthesiaとよばれることがある。通常は,正中線上で腰椎の椎間腔で穿刺する。針先が硬膜を穿通し,くも膜下腔に達したことは,その際に髄液が逆流するので,それにより確認できる。局所麻酔薬注入後直ちに抜針する。麻痺効果の発現は2分以内に起こり,麻痺の順序は細い神経から起こる。

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All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脊椎麻酔
せきついますい

局所麻酔の方法の一つで、局所麻酔薬を脊髄(せきずい)くも膜下腔(くう)に注入することによって、脊髄から出てくる神経を麻痺(まひ)させる方法である。正式には、脊髄くも膜下麻酔とよぶ。くも膜下腔に針を刺すには、脊髄の損傷を防ぐために第2腰椎より下で穿刺(せんし)する。麻酔の範囲を調節するためには、ここに注入された局所麻酔薬を脳脊髄液のなかで移動させなければならない。このため、局所麻酔薬は比重が脳脊髄液より重い高比重液と、軽い低比重液が用いられ、体位によってその移動を調節する。
 脊椎麻酔によって麻酔された部位で得られる効果は、無痛、筋弛緩(しかん)、血管拡張、発汗停止、腸運動亢進(こうしん)などであり、主として下半身の手術の麻酔に用いられる。使用される局所麻酔薬としては、作用時間の長いブピバカインがおもに用いられ、その他にジブカインやテトラカインがある。合併症としては血圧下降、呼吸抑制、麻酔後の頭痛、馬尾症候群(膀胱(ぼうこう)や直腸障害、下肢の知覚障害や運動障害がみられる)などがあり、禁忌としては脳腫瘍(しゅよう)、穿刺部位の感染、血液凝固異常(血友病など)などがある。[山村秀夫・山田芳嗣]

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世界大百科事典内の脊椎麻酔の言及

【麻酔】より

…局所麻酔の種類には,(1)表面麻酔topical anesthesia,(2)粘膜表面に塗布する浸潤麻酔infiltration anesthesia,(3)狭義の局所麻酔(局所に浸潤注射する),(4)伝達麻酔conduction anesthesia(末梢神経の走行経路に局所麻酔薬を注射して神経伝達を遮断する。神経ブロックnerve blockとも呼ばれる),(5)脊椎麻酔spinal anesthesia(脊髄くも膜下腔に局所麻酔薬を注入して脊髄前根,後根を遮断する),(6)硬膜外麻酔epidural anesthesia(脊椎の硬膜外腔に局所麻酔薬を注入して脊髄前根,後根を遮断する)がある。 局所麻酔は,意識下で手術が可能であり,自発呼吸が維持されている,手術部位の確実な鎮痛が得られる,手術野の自発運動の抑制と手術侵害による自律神経反射の抑制などが利点となる。…

【局所麻酔】より

…伝達麻酔は末梢神経の走行あるいは神経叢に直接局所麻酔薬を注射してその支配領域を麻酔するもので,神経遮断(神経ブロック)ともよばれる。脊髄腔に局所麻酔薬を注入し,脊髄神経根部を麻痺させる脊椎麻酔や腕神経叢ブロックによる上肢の麻酔は,よい例である。局所麻酔の作用は可逆性であり,毒性が低く,全身性にも副作用がないことが条件である。…

【局所麻酔薬】より

…(3)伝達麻酔 神経幹または神経叢に適用。(4)脊椎麻酔 脊椎の硬膜下腔に注入。(5)硬膜外麻酔 硬膜と脊椎の間に存在する髄液に注入して,脊髄から出る前根および後根を麻痺させる。…

【麻酔】より

…局所麻酔の種類には,(1)表面麻酔topical anesthesia,(2)粘膜表面に塗布する浸潤麻酔infiltration anesthesia,(3)狭義の局所麻酔(局所に浸潤注射する),(4)伝達麻酔conduction anesthesia(末梢神経の走行経路に局所麻酔薬を注射して神経伝達を遮断する。神経ブロックnerve blockとも呼ばれる),(5)脊椎麻酔spinal anesthesia(脊髄くも膜下腔に局所麻酔薬を注入して脊髄前根,後根を遮断する),(6)硬膜外麻酔epidural anesthesia(脊椎の硬膜外腔に局所麻酔薬を注入して脊髄前根,後根を遮断する)がある。 局所麻酔は,意識下で手術が可能であり,自発呼吸が維持されている,手術部位の確実な鎮痛が得られる,手術野の自発運動の抑制と手術侵害による自律神経反射の抑制などが利点となる。…

※「脊椎麻酔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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