リドカイン(英語表記)lidocaine

デジタル大辞泉 「リドカイン」の意味・読み・例文・類語

リドカイン(lidocaine)

代表的な合成局所麻酔薬不整脈治療にも用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「リドカイン」の意味・わかりやすい解説

リドカイン
lidocaine

白色~微黄色の結晶または結晶性の粉末。化学的にはアミドで,麻酔作用をもち,医薬としては,塩酸塩の塩酸リドカイン製剤およびリドカイン注射液)として用いられる。作用発現が速く,アドレナリンを併用するとかなり持続的となり,すぐれた局所麻酔薬として,歯科外科産婦人科耳鼻咽喉科をはじめ各科領域で,表面麻酔,浸潤麻酔,伝達麻酔脊髄麻酔,硬膜外麻酔に用いられている。刺激性は非常に小さい。エステラーゼによって分解されにくく,組織中で比較的安定である。抗不整脈薬としても用いられる。
局所麻酔薬
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「リドカイン」の解説

リドカイン
リドカイン
lidocaine

2-(diethylamino)-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide.C14H22N2O(234.34).リグノカインともいう.2,6-ジメチルアニリンにモノクロロ酢酸クロリド,ジエチルアミンを順次縮合させて合成する.融点68~69 ℃,沸点159~160 ℃(266 Pa).水に不溶,エタノールに可溶.表面麻酔および脊椎麻酔作用があり,プロカインの数倍の強さを示す.塩酸塩(融点127~129 ℃)は作用発現が迅速で持続時間も長いことから,注射用局所麻酔に使用される.LD50 292 mg/kg(マウス経口).[CAS 137-58-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「リドカイン」の意味・わかりやすい解説

リドカイン

化学式はC14H22N2O。かすかな苦みをもつ,水に不溶の白色結晶。融点68〜69℃。局所麻酔,表面麻酔の強い作用がある。塩酸塩は融点127〜129℃で,注射用の局所麻酔剤として歯科や外科で用いられ,また内視鏡検査などで表面麻酔剤として用いられる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「リドカイン」の解説

リドカイン

塩酸リドカインを含有する局所麻酔薬。「キシロカイン」ともいう。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のリドカインの言及

【局所麻酔】より

…局所麻酔の作用は可逆性であり,毒性が低く,全身性にも副作用がないことが条件である。現在用いられている局所麻酔薬はエステル型(プロカイン),アミド型(リドカイン)がある。局所麻酔薬が麻酔作用を起こす本態については諸説があるが,神経細胞の物理化学的変化によるといわれている。…

【局所麻酔薬】より

…コカインは天然由来のすぐれた局所麻酔薬であるが毒性も強いので,数多くの合成局所麻酔薬(コカイン代用薬ともいう)が作られている。プロカイン,テトラカイン,リドカイン,ジブカイン,アミノ安息香酸エチルなどである。これらの効力や毒性はそれぞれ異なるが,いずれも完全なものとはいいがたい。…

※「リドカイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android