法則の辞典 の解説
アインシュタインの遷移確率【Einstein's transition probability】
Inm(em)=Nnhc νnm Anm
ここで Nn は状態 n にある原子の数密度(ポピュレーション)で,遷移の確率が Anm である.この Anm をアインシュタインの自然放射遷移確率,またはアインシュタインの A 係数という.これはつまり発光原子が状態 n から状態 m へと遷移する割合である.
また吸収が起きて状態 m から状態 n へと遷移する場合に,これに伴って吸収されるエネルギー Inm(abs) は次のようになる.
Inm(abs)=ρnmNmBmn ⊿xh νnm
ここで νnm が吸収される照射光の波数,ρ はその放射エネルギー密度,吸収層の厚さが ⊿x である.Bmn が吸収遷移確率,またはアインシュタインの B 係数と呼ばれる.この A 係数と B 係数との間の関係について,アインシュタインはプランクの輻射公式*から熱平衡を仮定して次のような関係式が成り立つことを導いた.