公式(読み)こうしき

日本大百科全書(ニッポニカ)「公式」の解説

公式
こうしき

因数分解でよく利用する等式
  a2-b2=(a+b)(a-b)  (1)
や、円の面積Sと半径rとの関係を示す等式
  S=πr2       (2)
のように、法則や定理を文字を用いた等式で表現したもので、いろいろな目的に対してよく利用されるものをいう。利用の頻度、重要性についての判断は人によって異なるので、どれを公式とみるかも人によって異なる。この意味では、定理や法則などの場合と同様、かなり価値判断のはいった主観的な語である。

 (1)の式では、文字a、bにどんな数値を代入しても等号が成り立つ、すなわち恒等式であって、左辺の形の式の言い換えが右辺の形の式であることを示している。このように、恒等式である公式は、式表現の形を変えていく場合の根拠になるものである。これに対して(2)の式では、πの値は3.14……(円周率)として定まっているが、rやSにかってな値を代入しても等号は成り立たない。等号が成り立つようなSとrの値は、組になっている。すなわち、これはSとrについての方程式である。方程式の形の公式は、数の世界の外にある事象の関係を、数の世界の中の関係として表現したもので、数値の代入計算によって、ある量を算出するのに利用される。

[島田 茂]

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精選版 日本国語大辞典「公式」の解説

こう‐しき【公式】

〘名〙
おおやけに決められた形式にのっとって物事を行なうこと。また、個人的でなく、おおやけに行なうこと。
※招かれて見た中共(1956)〈橘善守〉百年河清を待たず「第一次五カ年計画の目的は〈略〉公式には次のごとく要約されている」
② 旧憲法のもとで、法令、予算、条約などを公布する方式。公式令で定められていたが日本国憲法の施行によって廃止された。
③ 一般的な原理や計算法則を数式で示したもの。〔工学字彙(1886)〕
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「力学上の公式から演繹して御覧に入れ様」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「公式」の解説

公式
こうしき
formula

定式,法式ともいう。ごく普通には,それからの演繹や議論を可能にする,簡単で正確な陳述をいうが,さらには,個別的内容を止揚して普遍的な法則を与える,正確で普遍的な陳述をもいい,一般に「公式化する」といわれるような場合にはこの意味で使われている。 (→公理 , 定理 )

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デジタル大辞泉「公式」の解説

こう‐しき【公式】

おおやけに定められた形式。また、公的な手続きを踏んで物事を行うこと。企業や団体などが、正式に認めること。「公式の行事」「公式の見解」「公式に訪問する」「非公式試合」
数や式の間に成り立つ関係を、数学上の記号を用いて表示した式。「公式に当てはめて計算する」
[類語](1おおやけ公共公的正格正則正統正調本式本格的正規正式フォーマル格調格式品格品位風格正しい本物儀礼礼法礼式礼儀風儀作法よそ行き格式張る折り目正しい本格本筋まっとう正道本道本流主流中正至当合理的合法的押しも押されもせぬれっきとちゃんとまとも道理道理至極腰を入れる本腰本腰を入れるレギュラーオーソドックスプロパー

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百科事典マイペディア「公式」の解説

公式【こうしき】

式の形で表された定理,または計算の一般法則を書き表した式。→実験式

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