アズキサヤムシガ(読み)あずきさやむしが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アズキサヤムシガ」の意味・わかりやすい解説

アズキサヤムシガ
あずきさやむしが / 小豆莢虫蛾
[学] Matsumuraeses phaseoli

昆虫綱鱗翅(りんし)目ハマキガ科に属するガ。はねの開張15ミリメートルぐらいの小形種で、日本全土および台湾、インドなどに分布する。1年に3~5回発生する。秋にソラマメ畑で羽化(うか)した成虫はソラマメに産卵する。孵化(ふか)した幼虫は、それを食べながら越冬するが、多くの場合、枯れ葉の中に潜って蛹(さなぎ)で越冬する。蛹は春に羽化して産卵する。春に孵化した幼虫は、ソラマメの茎、花、莢(さや)などのほか、フジインゲンマメなども食害する。ついでダイズササゲアズキなどが栽培されるようになると、次の世代がこれらを食害する。食べ方はいろいろで、食べかすの葉芯(ようしん)をつづったり、葉片を汚く集めたり、茎に潜ったりする。秋に豆のできるころには豆も食べる。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例