成虫(読み)せいちゅう(英語表記)imago

翻訳|imago

日本大百科全書(ニッポニカ)「成虫」の解説

成虫
せいちゅう
imago

昆虫の一生のうち、生殖のための成熟した時期をいう。これは一世代の最終期で生殖器がよく発達し、交尾・産卵が行われる。ほかの動物の場合この時期は一般に成体adultとよばれ、昆虫でも成体とよぶことがあるが、昆虫は普通、成長過程での形態変化が著しく、脱皮を境として変化するので、成虫はその前の時期、(さなぎ)あるいは幼虫と明らかに区別できる。

 昆虫は一生の間に環境・季節の変化に対応して生活を変え、それに適した形態をとることが多い。これが変態であって、幼虫(蛹の時期を欠くものでは若虫(じゃくちゅう)ともいう)→蛹→成虫という一連の変化は環境に適応した生活形と考えられる。成虫の寿命は一般には短く、1か月内外のものが多いが、カゲロウ類にみられるように数時間のものもある一方、甲虫のクワガタムシやゾウムシのように数年も生きた例もあり、シロアリの女王のように数年以上も卵を産み続けるものもある。

[中根猛彦]

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精選版 日本国語大辞典「成虫」の解説

せい‐ちゅう【成虫】

〘名〙 昆虫、クモ類、多足類などの成体。脱皮、変態を終えた最終の成熟期で、生殖が可能となる。昆虫の多くの種類ではねが生える。
※動物小学(1881)〈松本駒次郎訳〉下「始め多足虫の孵化するや全く無足のものなれども、〈略〉更に表皮を易ふるに随ひ次第に其数を増し遂に成虫となるに至て止む」

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百科事典マイペディア「成虫」の解説

成虫【せいちゅう】

昆虫の幼虫,蛹(さなぎ)に対して親をいう。性的に成熟して生殖可能になっているか,少なくとも外部形態が完成している点で未成熟な幼虫と区別される。食物摂取量は幼虫よりはるかに少ないのが普通で,寿命も短いものが多い。

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世界大百科事典内の成虫の言及

【成体】より

…個体発生過程の最終段階にあり,生殖が可能となった生物(主として動物)個体をさす。昆虫では成虫,植物では成形といわれることが多い。一様に受精卵(種子)から出発しても,成体に到達するまでの過程は生物の種類によってさまざまで,胚,幼生(昆虫の場合は幼虫,植物では幼形),胎児,幼若個体などの段階を経る。…

※「成虫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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