化学辞典 第2版 の解説
アゾジカルボン酸ジエチル
アゾジカルボンサンジエチル
diethyl azodicarboxylate
C6H10N2O4(174.16).CH3CH2O2CN=NCO2CH2CH3.遊離のアゾジカルボン酸(HO2CN=NCO2H)は不安定で知られていないが,エステルは安定に存在する.アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)は,ヒドラジンジカルボン酸ジエチルを硝酸で酸化すると得られる.橙黄色の液体.融点6 ℃,沸点106 ℃(1.73 kPa).1.428.1.106.DEADを濃アンモニア水で処理するとアゾジカルボキサミド(H2NCON=NCONH2)を与える.また,DEADは,ディールス-アルダー反応ではジエノフィルとして作用し,トリフェニルホスフィンとともに用いると安息香酸などのエステル化剤として,あるいは,光延反応の反応試剤の一つとして利用される.爆発性がある.[CAS 1972-28-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報