アンモニア水(読み)アンモニアすい(英語表記)ammonia water

翻訳|ammonia water

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンモニア水」の意味・わかりやすい解説

アンモニア水
アンモニアすい
ammonia water

アンモニア NH3 を 10W/V%の割合に水に溶かしたものと日本薬局方で規定されている。アンモニアは常温では気体で,揮発性が強いので,水溶液はアンモニア臭があり,直接かぐと鼻粘膜を強く刺激する。濃厚なアンモニアは強い局所刺激作用を有するが,本溶液程度の濃度のものを短時間皮膚や粘膜に接触させると灼熱感と発赤を起し,長時間接触させると局所組織に壊死を起す。経口摂取あるいは吸入したときは胃あるいは気道における局所刺激作用によって反射的に延髄の呼吸および血管運動中枢を興奮させる。反射性の気管支分泌亢進による去痰作用もある。臨床的には失神時にかぎ薬,気付薬として,去痰用には芳香アンモニア精,アンモニア・ウイキョウ精が,皮膚刺激用には軟膏に混ぜて利用されることがある。大量を内用すると刺激性のため,口腔,咽頭,食道,胃に炎症を起し,嘔吐,虚脱,声門浮腫による呼吸困難や窒息死を招くことがある。

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