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安息香酸 あんそくこうさんbenzoic acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

安息香酸
あんそくこうさん
benzoic acid

化学式 C6H5COOH 。安息香 (天然樹脂の1つ) 中に存在する。融点 122℃。無色針状または小葉状の結晶。無臭かベンズアルデヒド様の臭いがする。工業的にはトルエンを塩素化し,ベンゾトリクロリドとし,次いで加水分解するか,無水フタル酸を水蒸気とともに熱した触媒の上に通して得られる。最近はトルエンの空気酸化によっても製造される。実験室的にはトルエンを硝酸または二クロム酸カリウムで酸化して得られる。冷水には溶けにくいが熱水にはよく溶ける。防腐作用があり,醤油や清涼飲料 (炭酸飲料も含む) に保存剤として,また膀胱炎や気管支炎治療に使用される。工業的には媒染剤として,学術上はアルカリ標準液の標定に使われる。

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百科事典マイペディアの解説

安息香酸【あんそくこうさん】

最も代表的な芳香族カルボン酸。無色の結晶。融点122.5℃,沸点250℃,約100℃で昇華。熱水,有機溶媒に易溶。食品衛生法で許可された防腐剤であり,医薬品原料としても用いられる。
→関連項目合成保存料

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栄養・生化学辞典の解説

安息香酸


 C7H6O2 (mw122.12).食品の保存料として使う.

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世界大百科事典 第2版の解説

あんそくこうさん【安息香酸 benzoic acid】

最も代表的な芳香族カルボン酸。天然樹脂である安息香(ドイツ語でBenzoe)の加熱によって得られたためにこの名(ドイツ語でBenzoesäure)がある。天然には,安息香中に遊離の状態で存在するほか,ペルーバルサムやトルーバルサム中にベンジルエステルとして含まれる。融点122.5℃の無色鱗片状結晶。アルコール,エーテル,アセトン,熱水に易溶,水から再結晶される。水にわずかに溶けて酸性を示す(pKa=4.21)。

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大辞林 第三版の解説

あんそくこうさん【安息香酸】

最も簡単な芳香族カルボン酸。天然樹脂の安息香を加熱して得られる。無色の鱗片りんぺん状または針状の結晶。フタル酸やトルエンから合成もされる。防腐剤・殺菌剤・媒染剤として使われる。化学式 C6H5COOH 

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

安息香酸
あんそくこうさん
benzoic acid

代表的な芳香族カルボン酸。昇華性のある無色の結晶。天然には、安息香中に遊離およびエステルとして存在するほか、ペルーバルサム、トルーバルサム中にもベンジルエステルとして存在する。実験室的にはトルエンを重クロム酸塩と硫酸により酸化すると得られる。工業的には、以前は無水フタル酸の脱炭酸反応により製造していたが、現在はトルエンの空気酸化により製造している。冷水には溶けにくいが熱水にはよく溶け、アセトン、エタノール(エチルアルコール)などの有機溶媒にもよく溶ける。食品衛生法により許可された防腐剤としてしょうゆに用いられているほか、媒染剤などに用いられる。そのほか、医薬として局所の殺菌・防カビ剤や角質軟化剤にも用いられる。水溶性のナトリウム塩は肝機能診断薬や防腐殺菌剤、清涼飲料水の保存料として用いられる。[廣田 穰]

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