ジエノフィル

化学辞典 第2版 「ジエノフィル」の解説

ジエノフィル
ジエノフィル
dienophile

ジエン体ともいう.ディールス-アルダー反応において,ジエン付加環化反応する親ジエン剤のこと.ジエノフィルとしては,アルケンアルキンが一般に用いられる.これら電子求引性基が置換すると,ジエノフィルのLUMO(ルモ)エネルギー準位が低下して,ジエンのHOMO(ホモ)との軌道相互作用が有利になるために,付加環化反応が容易に進むようになる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジエノフィルの言及

【ジエン合成】より

…工業的にも実験室的にも非常に簡単な操作で好収率の生成物を与えるので,種々の6員環化合物の合成に用いられる。この反応でオレフィンは,ジエンを求めて反応する試剤である,という意味で求ジエン試剤または英語をそのまま音訳してジエノフィルdienophileとも呼ばれる。求ジエン試剤としては,求電子性(電子不足)オレフィンがよく用いられるが,反応によっては求核性(電子豊富)オレフィンも使われる。…

※「ジエノフィル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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