内科学 第10版 「アフタ性疾患」の解説
アフタ性疾患(口腔粘膜・舌の疾患)
定義・概念
アフタ(aphta)とは粘膜に生じる類円型の粘膜疹で,灰白色の偽膜で覆われ周囲に紅暈を有する.これは1つの症状の総称であり,疾患単位ではない.Behçet病をはじめ,Sweet病,Crohn病の口腔症状でもある.
再発性アフタ性口内炎(aphthous stomatitis)
疫学・病態生理
女性にやや多く,初発年齢は20歳代に多い.口腔粘膜疾患のうち最も頻度が高いとされている.疲労,精神的ストレス,胃腸障害,ビタミン不足,機械的刺激などが誘因となる.
鑑別診断
天疱瘡,ウイルス感染症,固定薬疹,癌など.
治療
副腎皮質ステロイド軟膏や含嗽薬を使用する.
経過
個々のアフタは放置しても,通常1週間程度で自然消退する.刺激の除去,薬剤の使用により頻度は減少し,症状も軽減する.[高戸 毅]
■文献
榎本昭二,他編:最新口腔外科学,第4版,医歯薬出版,東京,2000.玉置邦彦総編集:最新皮膚科学大系第17巻 付属器・口腔粘膜の疾患,第1版,中山書店,東京,2002.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報