アムネマチン山脈(読み)あむねまちんさんみゃく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アムネマチン山脈」の意味・わかりやすい解説

アムネマチン山脈
あむねまちんさんみゃく / 阿尼瑪卿山

中国、青海(せいかい/チンハイ)省南東部を西北西から東南東の方向に連なる山脈。積石(せきしゃく/チーシー)山脈ともいう。崑崙(こんろん/クンルン)山脈東部に属し、チャイダム盆地南東部のブルハンブダイ山脈の東方に続く。南に黄河(こうが/ホワンホー)源流を隔ててバインハル山脈が並走する。1920年ごろから謎(なぞ)の山脈として探検家たちの注目を集め、8000メートル峰またはエベレスト山より高い山がある可能性が論じられていた。1960年に中国の調査隊によって最高峰アムネマチン峰の位置と標高(6282メートル)が決定された。このとき初登頂された山は第2峰6268メートルであった。頂稜(ちょうりょう)は北西から南東へ長く連なり、5800メートル以上の山10座ほどをもち、北東斜面に氷河が数本流れている。3200メートル以下はマツやセツザントウヒの原始林に覆われ、ユキヒョウオオヤマネコハイイログマなど野生動物が多い。チベット語のアムネは老人、マチンは活仏の最高の従者を意味する。

[酒井敏明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android