崑崙(読み)こんろん

精選版 日本国語大辞典 「崑崙」の意味・読み・例文・類語

こんろん【崑崙】

[一] 中国伝説地名黄河の源であり、玉(ぎょく)を産出し、不死の仙女西王母の住むという西方楽土。漢の武帝の時には于闐ホータン)で玉がとれることから、于闐の山を崑崙にあてていた。
[三] 中国、三国時代以後、アンナンカンボジアマライ半島など、南海地方の呼び名。
[四] 島の名。インドシナ半島の南沖合にあるコンドル島に対する元・明時代の呼称。全島岩石の山で、古来、航海者の目標とされた。

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デジタル大辞泉 「崑崙」の意味・読み・例文・類語

こんろん【崑崙】

中国古代の伝説上の山。中国西方に位置し、黄河の源と考えられた。崑山
崑崙山脈」の略。

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普及版 字通 「崑崙」の読み・字形・画数・意味

【崑崙】こんろん

山名新疆チベットの間にある。高さ七七一九メートル。〔楚辞離騒(めぐ)りて吾(われ)夫(か)の崑崙にす 路、脩にして以て

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「崑崙」の解説

崑崙(こんろん)
Kunlun

中国の古い伝説では黄河の発源する山とされ,いろいろな神話がある。漢の武帝は人を遣わして河源を探検させ,その報告にもとづいて,今のホータン南方,ホータン川の上流の山が崑崙であると考えた。その後パミール高原が崑崙とされたり,またインドの伝説上のスメール山と混同されたりしたこともある。現在の地理上の用語としては,広義にはパミール高原から東に走って東シナ海に及ぶまでの山脈をすべて崑崙と呼ぶ。狭義にはパミール高原からタリム盆地の南辺に沿い,新疆(しんきょう)ウイグル自治区とチベットとの境界をなして東に走り,青海から甘粛の南辺を通って陝西(せんせい)に入る大山脈をいう。全長約2500km,きわめて高峻である。

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旺文社世界史事典 三訂版 「崑崙」の解説

崑崙
こんろん

①中国の伝説による神仙(西王母など)の住む想像上の高山
②ヒマラヤ・テンシャン(天山)両山脈の間を西走し,パミール高原に至る大山脈
西方にあり,玉の産地といわれた。
前漢の武帝のとき,張騫 (ちようけん) がホータン川の上流を踏査して玉の産地を確認し,その地方の山脈を崑崙(クンルン)と名づけたことに由来する。

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百科事典マイペディア 「崑崙」の意味・わかりやすい解説

崑崙【こんろん】

昆侖とも書く。(1)中国の古文献《書経》に見える青海付近の民族名。また崑崙山のこと。(2)漢代以後南洋から渡来した黒人の称。崑崙奴(こんろんど)と呼んだ。ベトナム南部,インドネシア方面にいた。唐代以後は東南アジア人の総称。

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