日本大百科全書(ニッポニカ) 「アメバチ」の意味・わかりやすい解説
アメバチ
あめばち / 飴蜂
ichneumon flies
昆虫綱膜翅(まくし)目ヒメバチ科に属する一群の寄生バチの総称。体が飴(あめ)色をしているので、その名がある。この仲間は一般に腹部はかなり長く、縦に扁平(へんぺい)であり、ウスグロアメバチ属Ophionや、マダラアメバチ属Stauropoctonus、クロモンアメバチ属Dicamptus、イッテンアメバチ属Enicospilus、コンボウアメバチ属Habronyx、アメバチモドキ属Neteliaなど多くの属や種がある。分類学上かつてはPaniscusという属名も用いられたが、それに含められたほとんどの種は現在はNeteliaに含まれている。アメバチ類はガ類の幼虫に産卵寄生する。ヨトウアメバチモドキNetelia ocellarisは、農業害虫であるヨトウガ類の幼虫(ヨトウムシ)に寄生する有用な天敵である。夜間、灯火に飛来する種類も多い。
[平嶋義宏]