ありねよし(読み)アリネヨシ

デジタル大辞泉 「ありねよし」の意味・読み・例文・類語

ありね‐よし

[枕]《「ありね」は語義未詳。「よし」は間投助詞》「対馬つしま」にかかる。
「―対馬のわたり海中わたなかぬさ取り向けて早帰り来ね」〈・六二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 実例

精選版 日本国語大辞典 「ありねよし」の意味・読み・例文・類語

ありね‐よし

  1. ( 「よし」は詠嘆の間投助詞。「ありね」は未詳 ) 「対馬(つしま)」にかかる。
    1. [初出の実例]「在根良(ありねよし)対馬(つしま)の渡り渡中(わたなか)に幣(ぬさ)取り向けてはや帰り来(こ)ね」(出典万葉集(8C後)一・六二)

ありねよしの語誌

「在根」は「荒嶺(あらね)」の借字とする説がある。しかし、「ありを(在峰)」という語があることから、「在根」はアリネと読み、目立つ峰と解するほうが妥当性がある。対馬の山が朝鮮航路の目印だったからといわれる。また、アリは韓語で下または南を意味し、対馬の南嶺の称呼だったのではないかという説(日本古語大辞典=松岡静雄)もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android