アレイヘム(読み)あれいへむ(その他表記)Sholom Aleichem

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレイヘム」の意味・わかりやすい解説

アレイヘム
あれいへむ
Sholom Aleichem
(1859―1916)

ウクライナ生まれのイディッシュ作家。本名はソロモン・ラビノビッツSolomon Rabinovitz。最初はヘブライ語で創作し始めたが、のちには当時、特殊用語(ジャルゴン)として軽視されたイディッシュ語で書き続け、同時に年刊『イディッシュ人民文庫』を発行(1888)してユダヤ文学興隆に寄与した。ロシア圧政下の小村落に住むユダヤ庶民の過酷な生活をユーモア哀感のあふれる詩的な文章で描いた。代表作『メナヘム・メンドル』(1892~1895)、『牛乳屋テビエ』(1894)は、夢想、挫折(ざせつ)、試練、信仰の過程を生き抜く人物を中心にした短編連作。風刺叙情の創作傾向を代表する諸短編は『ユダヤ人たち』の標題邦訳紹介されている。ほかにユダヤ人芸術家の苦悩を描いた長編『さまよえる星』(1911)をはじめ多数の評論、童話戯曲がある。1905年のユダヤ人虐殺事件後、国外に避難し、二度目のアメリカ亡命時にニューヨークで死亡した。

[邦高忠二]

『木島始・江田阿希子訳『ユダヤ人たち』(1980・思潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレイヘム」の意味・わかりやすい解説

アレイヘム

「ショーレム・アレイヘム」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android