日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンカレッジ」の意味・わかりやすい解説
アンカレッジ
あんかれっじ
Anchorage
アメリカ合衆国、アラスカ州中南部にある同州最大の都市。人口26万0283(2000)。ケナイ半島の基部、クック海峡に面する商業の中心地で、交通の要衝。とくにアンカレッジ国際空港は給油中継空港として重要であるが、ほかに五つの空港があり、小型機の発着が多い。港湾都市としても重要であるほか、アラスカ鉄道、アラスカ・ハイウェーの拠点でもある。また、極東地域の防衛基地としての役割が大きく、近くにエルメンドーフ基地、リチャードソン基地があって、市財政に大きく貢献している。石油・ガス関連工業が近年注目を浴びており、観光業も主要産業の一つ。都市はアラスカ鉄道の本拠地として1915年に創設され、合衆国の防衛基地として第二次世界大戦中急速に発展した。1964年の大地震で莫大(ばくだい)な被害を受けたが、復興は早く、近代化が急テンポで進んだ。市域と周辺にはアルペン・スキーやクロスカントリーのスキー場があり、夏季には音楽祭など文化的な催し物も多い。博物館のほか、アラスカ大学、アラスカ・パシフィック大学もある。
[作野和世]