アンデスネコ(読み)あんですねこ(英語表記)Andean cat

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンデスネコ」の意味・わかりやすい解説

アンデスネコ
あんですねこ
Andean cat
mountain cat
[学] Oreailurus jacobita

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物。チリ北部、ペルー南部、ボリビア南西部、アルゼンチン北西部のアンデス高地に分布し、海抜5000メートル前後の岩地に生息する。体長70~75センチメートル、尾長45センチメートル前後である。体はほかのネコ類のように光沢のある橙(とう)褐色でなく、灰褐色で白っぽく、橙褐色の斑紋(はんもん)があり、尾には黄褐色の輪がある。毛は厚くビロード状に滑らかである。習性はほとんど知られず、わずかに、チンチラなどの齧歯(げっし)類や高山にすむ鳥類を捕食することが知られている。飼育がむずかしく、1年数か月生存した記録があるだけである。

[今泉忠明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアンデスネコの言及

【ヤマネコ(山猫)】より

…また額の条紋はふつう点状に切れている。イリオモテヤマネコと外形が似るコドコドF.guigna(イラスト),大型で斑紋が美しいオセロットF.pardalis(イラスト),尾が長い樹上生のマーゲイF.wiedii,乾いた草原にすむコロコロ(パンパスキャット)F.colocolo,比較的寒冷な森林にすむジョフロイネコF.geoffroyi,高山にすむアンデスネコF.jacobitaがある。以上のほかヒョウネコ類にはアフリカのサバンナのサーバルF.serval(イラスト),ヒマラヤから東南アジアに分布するアジアゴールデンキャットF.temmincki,サハラ以南のアフリカにすむアフリカゴールデンキャットF.aurata,体つきから走り方までテンやイタチに似るが,頭骨の構造はサーバルやゴールデンキャットに似る南アメリカのヤガランデ(ジャガランディ)F.yagouaroundi(イラスト)がある。…

※「アンデスネコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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