日本大百科全書(ニッポニカ) 「イガボヤ」の意味・わかりやすい解説
イガボヤ
いがぼや / 毬海鞘
[学] Halocynthia hilgendorfi f. igaboja
原索動物門尾索綱壁性目ピウラ科に属する単体ボヤ。普通、体は卵形、体長は8センチメートル(ときに10センチメートル)に達する大形種。外皮は革状、柔らかめで、生時は一般に赤みを帯びる。全表面に長さ10ミリメートルまでの棘(とげ)が密生し、前端部に位置する入水孔と出水孔付近でとくに著しい。棘には二次棘(きょく)が生え、さらに全体は微小な針状小棘に覆われる。朝鮮半島の南岸と東岸、日本の若狭(わかさ)湾から陸奥(むつ)湾を経て北海道にまで分布するほか、アメリカ大陸西海岸のブリティッシュ・コロンビアからカリフォルニア南部にかけて生息する。
[西川輝昭]