インド村落共同体(読み)インドそんらくきょうどうたい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インド村落共同体」の意味・わかりやすい解説

インド村落共同体
インドそんらくきょうどうたい

インドにおける村落社会の形態の一つ。 19世紀インドに赴任した多くのイギリス植民地行政官にとってインドの村落は「小さな共和国で,必要なものはほとんどすべてみずからの内にそなえ,外との交渉からは切り離されている」ようにみえた。彼らはインドの村落に関して数多くの記述を残したが,学問的に最も重要なのは H.メインと B.ベーデン・ポーエルのそれである。特にベーデン・ポーエルのインド村落を,(1) 合同村落 (土地がなんらかの形で共有された村落) ,(2) 個別所有村落 (土地が個々の家族によって別個に保有された村落) の2類型に分ける説は有名である。 K.マルクスはこのような自給自足的,閉鎖的なインド村落共同体の太古以来の不変性を,インド社会の停滞性 (歴史的発展の欠如) の最も主要な原因とみなしていた。しかし,最近ではイギリス植民地支配以前のインドの村落において,農民層の階層分化,商品生産の展開など歴史的発展のみられたことが明らかにされている。

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