ウィリアム王子(読み)うぃりあむおうじ(その他表記)His Royal Highness Prince William of Wales

知恵蔵 「ウィリアム王子」の解説

ウィリアム王子

英国チャールズ皇太子の長男。公式の称号はHis Royal Highness Prince William of Wales(ウィリアム・オブ・ウェールズ王孫殿下)。1982年6月21日、ロンドン・パディントンのセント・メアリ病院にて出生。母は、97年に交通事故で亡くなった故ダイアナ皇太子妃。3歳離れた弟のハリー王子と2人兄弟。
90年9月よりバークシャーのルドグローブ校に5年間通った後、95年7月、イートン・カレッジに入学。地理学、生物学、美術史を学ぶ。
遊学期間を利用して、南米チリ中米ベリーズ、アフリカ諸国を訪問し、また英国の酪農場で働くなどした後、スコットランドのセント・アンドリュー大学で地理学を修め、2005年に卒業した。
スポーツに熱心で、特にチームスポーツを得意としている。ルドグローブ校時代には、ラグビー部とホッケー部のキャプテンを務めると同時に、水泳、サッカー、バスケットクレー射撃も巧みで、クロスカントリーランニングの学校代表選手にも選ばれた。セント・アンドリュー大学時代には、水球のスコットランド大学選抜チームの代表選手として、毎年恒例のケルト諸国トーナメントにおいてウェールズとアイルランドを相手に戦った。
大学卒業後は職業体験期間を経て、サンドハースト陸軍士官学校に士官候補生として入学。06年12月、エリザベス2世女王臨席の下で陸軍士官に任命され、近衛騎兵第二連隊に少尉として着任した。08年、ガーター勲爵士叙任。
現在、英国空軍にて捜索・救助操縦士になるべく訓練を受ける傍ら、数多くの慈善団体や英国サッカー協会等の各種組織で会長を務めたり後援活動を行ったりしている。
10年11月16日、チャールズ皇太子が、ウィリアム王子と民間出身のキャサリン・ミドルトンさんとの婚約を発表した。2人はセント・アンドリュー大学の同期生で、同い年。ともに美術史を学んでいて知り合った。後に王子は地理学に転向したが、大学2年次からは、他の友人2人とともに4人でタウンハウスに住むなど親しく交際してきた。キャサリンさんの両親は、子ども用玩具の通信販売業を営む。結婚式は11年春か夏にロンドンで行われる予定。
ウィリアム王子の王位継承順位は、皇太子に続く2位。しかし、英紙サンデー・タイムズが10年11月21日付紙面に掲載した世論調査によると、44%が「皇太子は王子に国王の座を譲るべきだ」と回答し、王子を次の国王に望む声は56%に上った。結婚式については、英国が深刻な不況下にあることを反映して、約半数が皇太子と故ダイアナ妃の時よりも質素に行うべきだと回答し、約7割が税金による負担に反対、「皇太子が費用を支払うべきだ」とした。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2010年)


ウィリアム王子

英国王室のチャールズ皇太子の長男で、現女王エリザベス2世の孫。公式には、「ケンブリッジ公」(Duke of Cambridge)と呼ばれている。1982年6月21日、ロンドン・パディントンのセント・メアリ病院で生まれた。現在の王位継承順位は、父チャールズ皇太子に次いで2位。公務の傍ら、民間企業で救急ヘリコプターの操縦士として働く。母親で、世界的に人気だった故・ダイアナ元皇太子妃(61~97年)に似た端正な顔立ちや、落ち着いた言動が英国の国民に歓迎されており、次期国王に推す声もある。2歳離れた弟のヘンリー王子と2人兄弟。
90年9月にバークシャーのルドグローブ校へ入学、5年間通った後、95年7月、英国の男子全寮制エリート校、イートン・カレッジに進学。地理学や生物学、美術史を学ぶ。
イートン・カレッジ卒業後は、南米のチリや中米のベリーズ、アフリカ諸国を訪問、英国の酪農場で働くなどした後、スコットランドのセント・アンドルーズ大学へ進む。最初は美術史を専攻していたが、途中から地理学に変更し、2005年に卒業した。
大学卒業後は、職業体験期間を経て、サンドハースト王立陸軍士官学校に士官候補生として入学。06年12月、エリザベス2世も出席する中で陸軍士官に任命され、近衛騎兵第2連隊に少尉として着任。その後、海軍兵学校や空軍士官学校で学び、捜索・救難ヘリコプターの操縦士になるための訓練も受けた。訓練は10年1月に修了した。
10年11月、英王室がセント・アンドルーズ大学の同期生であるキャサリン・ミドルトンとの婚約を発表した。11年4月、ロンドンのウェストミンスター寺院で挙式し、2人の間には13年7月に長男のジョージ王子、15年5月に長女のシャーロット王女が誕生している。
13年9月、軍を退役したと発表。14年1月、農業などについて学ぶため、ケンブリッジ大に入学。将来の王位継承に備えた動きとみられており、約10週間にわたり、大学側が特別に設置したコースで農業や農村社会の問題について学んだ。
15年2月26日から3月1日まで、初めて来日。福島県の仮設住宅や宮城県女川町の復興商店街など東日本大震災の被災地を訪れ、住民らと交流した。
15年3月、英国で救急ヘリコプターの出動などを行う民間企業ボンド・エア・サービスに就職、7月から同社の航空救急部門「イースト・アングリアン・エア・アンビュランス」でヘリコプターの操縦士として任務をこなしている。
慈善事業への関心が高く、子どもや若者の能力を高めるための支援や野生動物の保護活動などにも精力的に取り組んでいる。

(南 文枝 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

現代外国人名録2016 「ウィリアム王子」の解説

ウィリアム王子
ウィリアムオウジ
Prince William

職業・肩書
英国王子 チャールズ皇太子の第一王子

国籍
英国

生年月日
1982年6月21日

出生地
ロンドン

本名
ウィリアム・アーサー・フィリップ・ルイス〈William Arthur Philip Louis〉

別名
称号=ケンブリッジ公〈The Duke of Cambridge〉

学歴
イートン校〔2000年〕卒,セント・アンドルーズ大学〔2005年〕卒,サンドハースト陸軍士官学校〔2006年12月〕卒

経歴
チャールズ皇太子とダイアナ元妃の長男。王位継承順位は父に継ぎ2位。1995年9月全寮制私立高校イートン校に入学。2000年6月18歳の誕生日を前に英国各紙に初の本格的インタビューと写真が掲載される。同月高校を卒業。2001年9月スコットランドのセント・アンドルーズ大学に入学。2005年6月卒業。2006年1月サンドハースト陸軍士官学校に入校、12月卒業。英国陸軍近衛騎兵連隊に所属。2008年4月空軍のパイロット養成訓練を終え、ウェールズの空軍基地でヘリのパイロットとして勤務。2011年4月大学の同級生で中流家庭出身のキャサリン・ミドルトンと結婚し、ケンブリッジ公の爵位が与えられる。英国メディアによると、“将来の国王”が一般家庭出身の女性と結婚するのは、1660年のヨーク公(後のジェームズ2世)以来、約350年ぶり。2013年7月長男のジョージ王子が誕生。2015年5月長女のシャーロット王女が誕生。サッカー好きとしても知られ、イングランドサッカー協会総裁を務める。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

367日誕生日大事典 「ウィリアム王子」の解説

ウィリアム王子

生年月日:1982年6月21日
英国王子

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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