将来(読み)ショウライ

デジタル大辞泉 「将来」の意味・読み・例文・類語

しょう‐らい〔シヤウ‐〕【将来】

[名](スル)
まさきたらんとする時の意》これから先。未来。前途。副詞的にも用いる。「将来の日本」「将来を期待する」「将来のある若者」「将来医者になりたい」
引き連れてくること。特に、外国など他の土地から持ってくること。「中国から将来した書物
ある状態や結果を招くこと。招来。「物価の値上がりを将来する」
アクセント1ショーライ、23はショーライ
[用法]将来・未来――「将来(未来)への夢」「明るい将来(未来)」のように、現在よりあとのことについていう場合には共通して用いられる。◇「私は将来、弁護士になりたい」に「未来」は使わない。また、「二〇〇年後の未来を空想する」に「将来」は使いにくい。10年後ぐらいならば「将来」と言うほうが普通。「未来」は「将来」よりも非現実的な遠い先という感じが強い。◇「近い将来」とは言うが、「近い未来」とはあまり言わない。◇類似の語に「今後」がある。「今後」は先のことを言うより、「今後の課題」「今後気をつけます」のように「今から」という意である。「今後しっかり勉強して大学に入りたい」の「今後」は大学に入ることでなく、勉強することにかかっている。
[類語](1今後未来近未来行く末末末前途向後自今来たる目先行く先行く手行く行く行方先行き先先生い先あとのちあとあとのちのち後年他年この後これから向こう/(3招くもたらす持ちきた来す引き起こす生む招来する誘発する惹起じゃっきする生ずる生み出す作り出す創出する創造する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「将来」の意味・読み・例文・類語

しょう‐らいシャウ‥【将来】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) もって来ること。新しいもの、未知のものなどをもたらすこと。
    1. [初出の実例]「此院多有経論、書迹楷好、並不錯誤。皆和上之所将来者也」(出典:続日本紀‐文武四年(700)三月己未)
    2. 「呉時の経教を倭国へ将来する者は呉音に読ぞ」(出典:史記抄(1477)一〇)
  3. ( ━する ) ひきしたがえること。つれてくること。
    1. [初出の実例]「明兼所将来竊盗一人」(出典:中右記‐永久二年(1114)正月五日)
  4. ( ━する ) ある結果を招くこと。ひきおこすこと。
    1. [初出の実例]「十八世紀の詩は〈略〉千篇一律の唐詩の模倣を将来して」(出典:雲のゆき来(1965)〈中村真一郎〉三)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公三年〕
  5. ( 「将(まさ)に来たらんとする時」の意 ) これから先。未来。ゆくさき。前途。
    1. [初出の実例]「我等らをして将来に広く天地に供養を儲させ給へ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二)
    2. 「日本の神々のさかばちがあたって、しゃうらいがよふ有まい」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)下)
    3. [その他の文献]〔揚雄‐長楊賦〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「将来」の読み・字形・画数・意味

【将来】しよう(しやう)らい

未来。前途。魏・文帝〔又鍾に与へて玉を謝する書〕楚の和璞(くわはく)は、~疇昔(ちうせき)にせらるるり、聲を將來にせり。

字通「将」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android