しょう‐らい〔シヤウ‐〕【将来】
[名](スル)
1 《将に来らんとする時の意》これから先。未来。前途。副詞的にも用いる。「将来の日本」「将来を期待する」「将来のある若者」「将来医者になりたい」
2 引き連れてくること。特に、外国など他の土地から持ってくること。「中国から将来した書物」
3 ある状態や結果を招くこと。招来。「物価の値上がりを将来する」
[アクセント]1はショーライ、2・3はショーライ。
[用法]将来・未来――「将来(未来)への夢」「明るい将来(未来)」のように、現在よりあとのことについていう場合には共通して用いられる。◇「私は将来、弁護士になりたい」に「未来」は使わない。また、「二〇〇年後の未来を空想する」に「将来」は使いにくい。10年後ぐらいならば「将来」と言うほうが普通。「未来」は「将来」よりも非現実的な遠い先という感じが強い。◇「近い将来」とは言うが、「近い未来」とはあまり言わない。「近未来」は新造語。◇類似の語に「今後」がある。「今後」は先のことを言うより、「今後の課題」「今後気をつけます」のように「今から」という意である。「今後しっかり勉強して大学に入りたい」の「今後」は大学に入ることでなく、勉強することにかかっている。
[類語](1)今後・未来・近未来・末・行く末・末末・前途・向後・自今・来たる・目先・行く先・行く手・行く行く・行方・先行き・先先・先・生い先・あと・のち・あとあと・のちのち・後年・他年・この後・これから・向こう/(3)招く・もたらす・持ち来す・来す・引き起こす・生む・招来する・誘発する・惹起する・生ずる・生み出す・作り出す・創出する・創造する
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
しょう‐らい シャウ‥【将来】
〘名〙
① (━する) もって来ること。新しいもの、未知のものなどをもたらすこと。
※続日本紀‐文武四年(700)三月己未「此院多有二経論一、書迹楷好、並不二錯誤一。皆和上之所二将来一者也」
※史記抄(1477)一〇「呉時の経教を倭国へ将来する者は呉音に読ぞ」
② (━する) ひきしたがえること。つれてくること。
※中右記‐永久二年(1114)正月五日「明兼所二将来一竊盗一人」
③ (━する) ある結果を招くこと。ひきおこすこと。
※雲のゆき来(1965)〈中村真一郎〉三「十八世紀の詩は〈略〉千篇一律の唐詩の模倣を将来して」 〔春秋左伝‐昭公三年〕
④ (「将(まさ)に来たらんとする時」の意) これから先。未来。ゆくさき。前途。
※今昔(1120頃か)二「我等らをして将来に広く天地に供養を儲させ給へ」
※
浄瑠璃・女殺油地獄(1721)下「日本の神々のさかばちがあたって、しゃうらいがよふ有まい」 〔揚雄‐長楊賦〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報