ウダーナ(読み)うだーな(その他表記)Udāna

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウダーナ」の意味・わかりやすい解説

ウダーナ
うだーな
Udāna

初期仏教経典のうち、パーリ語のみが伝わる小部の計15経の第三。その重要性はきわめて高い。また九分教、十二分教という古い分類にも、その一として名があげられている。優陀那憂陀那と音写し、また感興偈(げ)、自説経などと訳す。仏陀がその感じたところを自ら発して、詩(偈)の形をとるものが起源となる。現存するのは南方仏教の伝えたパーリ語テキストのみである。それは、最初に散文によって説明したあと、末尾に偈がある。散文が後世の追加であることは確実で、詩のみが古い。計80よりなる。なお、ウダーナを経の一形式とみなして、そのたぐいのものを初期仏教資料であたっていくと、仏陀(ぶっだ)だけでなく、仏弟子バラモン国王、天その他のウダーナもある。

[三枝充悳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む