ウチワヒゲムシ(読み)ウチワヒゲムシ(その他表記)Phacus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウチワヒゲムシ」の意味・わかりやすい解説

ウチワヒゲムシ(団扇鬚虫)
ウチワヒゲムシ
Phacus

ミドリムシ藻類ミドリムシ目ミドリムシ科の藻類の1属。藻体は扁平で固定した細胞膜を有し,前方に1鞭毛があり,後方は尾状のとげ状突起となる。緑色小板状の葉緑体をもっている。 10種以上が知られていて,最大の種では長さ約 0.17mmに及ぶ。やや富栄養の池などに発生する。ニセウチワヒゲムシ Lepocinclis本属に似ているが藻体が扁平でなく,円錐形をしている点で著しく異なっている。

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世界大百科事典(旧版)内のウチワヒゲムシの言及

【ミドリムシ(緑虫)】より

…この個体は有機物を加えた培養液中で生育して増殖できることから,天然に生育する葉緑体をもたないアスタシア属Astasiaはミドリムシ属から進化の過程で生じた生物であろうと推測されている。ミドリムシ属に近縁な仲間には淡水産のものとして,かたい周皮をもつうちわ形のウチワヒゲムシPhacus,つぼ形のトックリヒゲムシTrachelomonasなどが,海産または汽水産のものとして等長の2鞭毛をもつエウトレプティアEutreptia,不等長の2鞭毛をもつエウトレプティエラEutreptiellaなどがある。ミドリムシ類の増殖は体が縦に2分裂する無性生殖によって行われる。…

※「ウチワヒゲムシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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