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葉緑体 ようりょくたい chloroplast

翻訳|chloroplast

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

葉緑体
ようりょくたい
chloroplast

葉緑素 (クロロフィル) を含む色素体で,真核生物の細胞内にある光合成器官。分裂によって増殖する。葉緑素のほかに,カロテノイド (カロテンキサントフィル呼ばれる黄色色素) を含むが,通常緑色を示す。

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デジタル大辞泉の解説

ようりょく‐たい〔エフリヨク‐〕【葉緑体】

光合成を行う植物の細胞内にある細胞小器官。一般に楕円形をし、二重の膜に包まれ、内部は葉緑素などの色素を含むグラナと、その間を埋めるストロマから構成される。グラナで光合成の明反応が、ストロマ暗反応行われる。独自のDNAなどをもつ。

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百科事典マイペディアの解説

葉緑体【ようりょくたい】

クロロプラストとも。葉緑素を含む色素体。藻類と緑色植物の細胞質内にあり,光合成の行われる場。高等植物では楕円形か凸レンズ形で,一つの細胞に多数ある。無色の基質ストロマの中に大量の葉緑素(および黄色のカロチノイド)を含む緑色で粒状のグラナが層状構造を示す。
→関連項目カルビン回路真核生物変形菌

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栄養・生化学辞典の解説

葉緑体

 →クロロプラスト

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世界大百科事典 第2版の解説

ようりょくたい【葉緑体 chloroplast】

クロロプラストともいう。藻類と緑色植物に見られる色素体の一つで,光合成の生化学的過程はこの中で進行する。葉緑体は多くの植物では直径5μm前後,厚さ2~3μmの碁石形であるが,藻類には板状,網目状,らせん形,星形,カップ形など特殊な形やひじょうに大きい葉緑体をもつものがある。葉緑体は黄色のカロチノイドのほかに多量の葉緑素(クロロフィル)を含んでいるので緑色に見える。褐藻や紅藻の葉緑体は葉緑素のほかにフィコキサンチンフィコエリトリンを含んでいるので褐色または紅色に見える。

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大辞林 第三版の解説

ようりょくたい【葉緑体】

緑色植物の細胞中に存在する色素体。多量のクロロフィルのほかカロチノイドも含む。一般にグラナとストロマとから成り、光合成は前者で、二酸化炭素固定は主として後者で行われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

葉緑体
ようりょくたい
chloroplast

緑色植物の緑色部分の細胞に特有の構造体。大きさが光学顕微鏡で見える水準にあるうえ、クロロフィル(葉緑素)を含んで緑色をなしているのでよく目だつ。陸上植物では直径5マイクロメートル、厚さ1~3マイクロメートルぐらいの凸レンズ形(円盤状)をしているのが普通であるが、緑藻の仲間ではベル形、螺旋(らせん)形、星形、網状のものがあり、分類の目安となる。褐藻類、紅藻類の葉緑体はそれぞれ褐色、紅色にみえるが、これはクロロフィル以外にフコキサンチン、フィコエリスリンなどの色素を含んでいるためである。葉緑体の一細胞当りの数は、種子植物では一定していない場合が多く、だいたい数十個から数百個に及ぶ。原始的な体制の植物ほど一細胞当りの数は少なく、また一定している例が多い。なかには1細胞当りに1個という例もある。
 もやしのように、光の当たらない条件下で育った植物では、葉緑体にクロロフィルが形成されず、淡黄色を呈している。これはエチオプラストとよばれる黄色の色素体のためであるが、光の照射を受けると速やかにクロロフィルが合成されて緑化する。
 種子植物の根や茎の内部、あるいは斑(ふ)入りの葉の白色部には、エチオプラストのように緑色を欠き、しかも光を与えても緑化しない色素体がある。これを白色(はくしょく)体とよぶ。デンプンを貯蔵する器官の細胞では盛んにデンプンの合成が行われる。このような貯蔵デンプンの大きな粒を含む色素体をアミロプラストまたはデンプン形成体とよぶ。ある種の植物の花弁や黄葉では、濃い黄色ないし橙(だいだい)色を呈し、クロモプラストまたは有色体とよばれる色素体がみられるが、これはクロロフィルが失われ、そのかわり黄色、橙色などのカロチノイドが蓄積されたものである。また形成層のように、盛んに分裂を繰り返している未分化の細胞には、白色体に似ているが小形で、分裂によって増殖するものが含まれている。これはプロプラスチド(原色素体、前色素体)とよばれるもので、細胞の分化に伴って葉緑体、白色体、アミロプラスト、クロモプラストなどに分化してゆく能力をもっている(これら全体を総称してプラスチドとよぶ)。[佐藤七郎]

葉緑体の構造

葉緑体の構造をみると、外表面には二枚の薄い膜(単位膜)からなる包膜がある。包膜に囲まれた内部には、同じ単位膜でできたチラコイドとよばれる扁平(へんぺい)な袋があり、葉緑体の全長にわたって、ほぼ平行に並んでいる。陸上植物の葉緑体では、この大きなチラコイドのところどころに小さいチラコイドが何枚も重なって付着している(これをグラナとよぶ)。藻類などでは、グラナ部分のチラコイドの大きさが不ぞろいであったり、グラナがなく、チラコイドが2~3枚ずつ全面にわたって接着して重層チラコイドをつくっていたりする。このチラコイドの配列の様式は系統と関連があり、分類の指標となる。
 チラコイドの周囲を埋めている物質はストロマとよばれ、比較的構造に乏しいが、リボゾーム(RNA‐タンパク質複合体)があり、いろいろの脂質が液滴となって散在している。ストロマには、太さ2.5ナノメートルぐらいのDNAの分子がみられることもある。種子植物と緑藻植物では同化デンプンがこのストロマの中に形成される。[佐藤七郎]

葉緑体と光合成

葉緑体の生理的機能は光合成である。光合成の前段階は、光エネルギーでATP(アデノシン三リン酸)と還元力としてのNADPH(還元型のニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸)を生成する反応で、これを明反応とよぶ。明反応はもっぱらチラコイドで行われる。生成されたATPとNADPHはストロマ中に放出される。ストロマ中には二酸化炭素をリブロース二リン酸に結合させたうえで、これを二分子のホスホグリセリン酸にする酵素がある。これが炭酸同化作用であり、このときに明反応でつくられたATPとNADPHが消費される。ホスホグリセリン酸はその後やや複雑な経路をたどって六炭糖となり、一部はショ糖として細胞質中に送り出される。他の六炭糖はいったん同化デンプンとなって蓄積され、夜間になって明反応が進行しなくなるとショ糖に変えられて細胞質中に放出される。二酸化炭素が固定されて糖がつくられる一連の反応を暗反応とよぶ。
 葉緑体内では、炭酸同化だけではなく、窒素の同化も行われる。根から吸収された硝酸イオンは、葉の細胞の細胞質内で亜硝酸イオンに変えられて葉緑体内に入り、ここで明反応で生成されたATPと還元型フェレドキシンを使ってアンモニアを経てグルタミン酸などのアミノ酸が合成される。このようなアミノ酸合成は白色体やプロプラスチドでも盛んに行われている。この場合はATPとNADPHは明反応以外で生成される。
 このように、葉緑体は無機の炭素と窒素を有機化合物に変える役割を果たして、地球上の生命へのエネルギーおよび必要元素供給の元締めをなしている。葉緑体にはDNAがあり、分裂によって増殖し、単細胞の藍(らん)藻に類似した性質があるので、葉緑体は、藍藻が共生して遺伝的に定着したものではないかという「細胞共生進化説」が注目を集めている。[佐藤七郎]

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世界大百科事典内の葉緑体の言及

【色素体】より

…緑色植物の細胞に含まれる葉緑体と,その類縁で色素を含むことで特徴づけられる細胞小器官の総称。動物細胞・菌類に欠けているが,分裂組織など未分化な植物細胞にみられ,大きさ1~3μmの桿(かん)状または長楕円体のクロロフィルをもたない原色素体proplastidから発達する細胞小器官である。…

【DNA】より

…この構造はさらに複雑に折りたたまれて,いわゆる染色糸を形成するが,高次の折りたたまれ方はまだ十分に解明されてはいない。真核生物細胞には,核外にもミトコンドリア葉緑体中に小さな環状DNAが存在する。また細菌のDNA中には,IS(insertion sequence,挿入断片)や二つのISで挟まれたトランスポゾンtransposonという特殊な塩基配列があって,これらは低頻度でDNAの上を飛び移り,挿入や欠失などの突然変異を起こしている。…

【ピレノイド】より

…藻類の葉緑体にある核様の小体で,タンパク質としての性質を示し,合成されたデンプンが貯蔵デンプンとなる際その核となる。核様体,デンプン核などともいわれる。…

【フィコビリン】より

…藻類の葉緑体(クロロプラスト)に存在する色素。この色素と結合したタンパク質は,ビリタンパク質またはフィコビリタンパク質と呼ばれる。…

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