ウデフリクモヒトデ(読み)うでふりくもひとで

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウデフリクモヒトデ」の意味・わかりやすい解説

ウデフリクモヒトデ
うでふりくもひとで / 腕振り蛇尾
[学] Ophiocoma scolopendrina

棘皮(きょくひ)動物門クモヒトデ綱フサクモヒトデ科に属する海産動物。奄美(あまみ)、沖縄諸島以南、西太平洋、インド洋海域のサンゴ礁に産する褐色の大形クモヒトデで、造礁サンゴ岩礁のすきまに体を潜め、上げ潮のときに腕を3本だけ外へ出して伸ばし、水面をなでるようにして動かす習性がある。この腕振り行動は摂食のためのものであり、潮に乗って流れ寄ってくる浮遊物を腕の裏側に生えた多数の触手に粘着してとらえる。盤径2センチメートル、腕長10センチメートル以上になる。

[重井陸夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例