ウミアザミ(読み)うみあざみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウミアザミ」の意味・わかりやすい解説

ウミアザミ
うみあざみ / 海薊

腔腸(こうちょう)動物門花虫綱八放サンゴ亜綱ウミトサカ目のウミアザミ科Xeniidaeの海産動物の総称、またはそのなかの代表種。この類の群体は低い叢(そう)状をし、先端部にわずかに分岐した花頭をつける。骨片発達が悪く、群体は軟らかい。各個虫は八放サンゴ類の特徴である羽状突起を備えた8本の触手をもつが、この類の触手はほかのウミトサカ類とは異なって複数列の羽状突起をもつ。一般に暖海のサンゴ礁浅海域に分布し、多産地ではじゅうたんを敷き詰めたように岩面を覆い尽くす所もある。一般に体はポリプ、共肉とも淡褐色。ウミアザミXenia hicksoniは、九州、四国、紀伊半島西岸に産し、さらにインド洋から西太平洋沿岸に分布する。そのほか数種の近似種が日本の沿岸に産する。

[内田紘臣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android